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 デザイナーの方が企画制作している自転車のフレーム塗装をご依頼頂きました。
 指定された「色」と「ロゴ」を、チタン素材のフレームに塗装を施していきます。


このフレームもオーダーメイドのようで、直接チタン加工メーカーから届きました。
今回もいつもの仕事同様、ご依頼主とは一度も顔を合わせておりませんので打ち合わせはメールでのみやり取りをしています。
ちなみに作業を請け負ったのは今から2ヶ月前で、2011年以降ならば内容を公開しても構わないとの旨を了承頂いておりましたのでこちらで初めて紹介させて頂きます。いつものように「プロフィット日記」では公開はしておりません。


足付け処理として、細部はサンドブラストでその他はダブルアクションサンダーで研磨します。
その後良く清掃して脱脂処理を行います。



各部をマスキングしてプライマーを塗布します。
乾燥後、表面を研磨して再度脱脂処理・クリーニングを行います。



本塗りに備えて各部をマスキングします。
今回はリヤホイールが固定されるボルト周りは塗らないようにし、わざと金属素地を残して素材がチタンである事をアピールするようにします。



そしてベースコートのホワイトを塗布し、1時間程自然乾燥させてテープフリーな状態になったらロゴ入れ塗装の準備をします。
(画像ではちょっと解り難いですが、既にプライマーの上に「白」が塗られた状態になっています。)
下には綺麗な養生紙を敷き、さらにそれと接触するフレームの部位にはマスキングテープを貼っておきます。
予めクライアントから用意されたロゴデザインはカッティングプロッターでカットし、マスキングシートを作成しておきます。

尚、今回のようにロゴの位置などが厳密に指定される場合や、ロゴ入れが複数個になる場合には「お任せコース」では対応出来ません。
逆に「この辺に10cmくらいの白いロゴを適当に」と言った単純なご依頼であれば「お任せコース」でも対応可能です。コストを抑えたい場合にはお勧めです。



クライアントの指定通りにロゴの配置が決まりました。ここでミスをすると最初からやり直しですので、神経を集中させて一つ一つの作業を行います。


ロゴの色は「赤パール」で、当店が用意した色見本帳より選んで頂いた色です。


ロゴ部分の塗装を終えたら全てのマスキングを剥がし、再度塗装台にセットしクリアーを塗布します。
クリアーは2コート、間にフラッシュオフタイムをとって十分な膜厚を確保します。



このような細かい部位はそのままスプレーしてもちゃんと塗料が入り込まない為、予め最初に塗っておきます。
当然塗り過ぎれば「タレ」も生じますので、こういった所が平面パネルの塗装と違ってちょっと厄介ではあります。



そして強制乾燥して完全硬化した後に完成となります。
多くの場合は梱包し発送での納品となる為、完全硬化したとしても念のために数日経ってからの発送とさせて頂いております。
何卒ご理解下さいませ。


商品の型式名かと思われますが、こういった単純な文字も美しい塗装で表現されるとこれ自体が芸術品のようにも思えてしまいます。


単純そうで難しかったのがこのロゴで、中心線から微妙に角度がついています。
それ通りに行うにはまずフレームの中心線を定めなければなりません。



ダウンチューブには比較的大きめのロゴを入れています。
当初は「白ベースに赤パール」の配色はどうなのかと思っていましたが、出来上がったフレームを見てさすがデザイナーさんだと感じました。



リヤのホイールが着く部分の周りは敢えて塗らないようにご指定頂きました。
一般的な自転車フレームに採用されるアルミ・クロモリといった素材であれば素地が剥き出しであれば腐食の原因になる所ですが、チタンの表面に出来る不動態皮膜によってそれらの金属よりも断然変質が少ないのでこういった事が可能です。
一目見て「ああ、チタンなんだな」とアピールする事が可能です(見た目だけだとステンレスと思われる可能性もありますが…笑)。



今回の塗装では特に磨き処理はしていません。
塗りっぱなしでここまでの美しさが出るのは高品位はアクリルポリウレタン樹脂の特徴でもあります。



ちなみに、こういったロゴの文体などは実は誰でも考え出すことが出来ます。
既存のメーカーロゴを入れ直すのみ良いですが、思い切って自分自身でロゴを考えてしまっても全然構わないと思います。
今回は文字のフォント形式も特殊な物では無いので普段使っているようなソフト(マイクロソフトのワードなど)でも簡単に作成が可能です。
特殊なフォントであれば「アウトライン化」といった事での入稿が必要ですが、フォント自体のデータも一緒にメールに添付して頂ければ対応可能です。
その他諸々、解らない事がありましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。


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