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Pro_Fit Diary 【プロフィット日記2006】

ここではプロフィットで最近行った作業内容やお預かりしている被塗物を紹介させて頂きます。
作業進がそのまま掲載されるとは限りませんのでご了承下さい。

他にも以前のプロフィット日記をご覧になれます。

■プロフィット日記2005 …以前のプロフィットで、この頃は小物では無く「自動車板金塗装屋」でした。欧州車をメインに扱っていましたね。

■プロフィット日記2006 …こちらも以前のプロフィットの頃でここで一旦閉鎖となります。MINIのプチレストアもやりました。

■プロフィット日記2008 …プロフィットが「小物塗装」として再稼動し始めてからになります。まだ先が見えていない頃でした(笑)。

■プロフィット日記2009 …この年からは色々塗らせて頂きました。自動車部品以外のご依頼品が増えた年でもあります。

■プロフィット日記2010 …自動車パーツではテールランプの「スモーク塗装」が増えまして、メガネや自転車フレームなどのご依頼も増えた年でした。

■プロフィット日記2011 …テールランプの「レッドキャンディー+スモーク」が増えた年でした。自転車フレームも多いですね。

■プロフィット日記2012 …究極に忙しい夏でした。確か三ヶ月待ちの状態にまでなったかと・・・。

■プロフィット日記2013 …そして現在進行形のプロフィット日記です。相変わらず稚拙な文ですがご容赦下さい…。



■プロフィット旧社外記 …仕事とは関係ない個人的なブログのようなページです。2012年までがこちらとなります。

■プロフィット社外記 …現在進行中の社外記です。仕事とは関係の無い作業や趣味を紹介しています。フランクな言動にはご容赦下さい。


基本的に文章の見直しはしていません。乱文・誤字・脱字がひどいですがご辛抱下さい。スピードと量を優先しています。

ページ内での最新の情報は上段になります。下になると古くなり、「Next」のボタンを押すとさらに以前の情報をご覧頂けます。

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jpg画像 フェラーリ382 各部品取り外し(img242.jpg) -242- フェラーリ382 各部品取り外し

本日部品取り外しはコミキの担当で、彼の感想としては「タカハタさん、フェラーリってネジちゃんと止まって無いんですね」でした。各箇所緩んでいたり、付いていなかったり…との事です。なので組み付け時に正規の状態に近づけておきます。
ちなみに、リヤゲートの中にボルトを一個落として、それを拾う為に「フレキシブル磁石」なる工具を使って拾った所、一個の筈が5個くっついてきたそうです。オーナー様にとってはとても笑える話ではありませんが…。

2006/06/30
 
jpg画像 ネジの塗装(img241.jpg) -241- ネジの塗装

こちらは企画車両「LAND_MINI」のオーバーフェンダー取り付けに使ったネジで、艶消し黒に塗装しています。
当初はリベットで止まっていましたが、先ほど記載したとおり「外し難い」デメリットがある為、こちらはタッピングビス(ネジ)に交換します。
汎用ネジはこんな感じ(@)でホームセンターなどに売っていますが、ユニクロームメッキなシルバー色をそのまま使うと非常に違和感が大きい。自動車の車体にこのようなネジは普通付いていませんし…。
付けてから筆指し(タッチアップ)しても良いですが、それだと美しくありませんし、簡単に剥がれます。なので金属表面を足付けし(スコッチ#320程度)、プライマーを塗り、この場合の艶消し黒は缶スプレーでも良いのできちんと塗ります。スナップオンなどの良い工具の使用であれば、ドライバーとネジとの「アタリ」が良いので、塗装が簡単に剥がれたりする事はありません。少し傷が付いたとしたら、十字穴の箇所のみタッチアップで対応すれば解らない仕上がりになります。リベットの場合も同じくです。
ネジの塗装に使う「土台」は、最初はペラペラの鉄板だった筈ですが、塗り重ねていく内にありえない厚みになりました…。昔勤めていた会社から(勝手に)持ってきた物で、経験がそのまま地層になっていたりします。
身内(元同僚or上司)が見れば「あ、あれか!?」と気づく事でしょう…。

2006/06/29
 
jpg画像 スペーサー(純正品…)(img240.jpg) -240- スペーサー(純正品…)

ミニのドアはこのような金属製の「スペーサー」により、「チリ」の調整が行われていたりします。結構普通の事です。フェラーリも多用されていますし、最近見た所としては、アウディのガラスチャンネル(ピラー)の調整としても使われていたりします。特に裏技的な事では無く、メーカーが認定して使用されていたりする物です。部品図に載ってたりもしますし…(実際に取り寄せるよりも作成してしまったりするのが業界では普通なのですが…)。

2006/06/29
 
jpg画像 リベッター&ナッター(img239.jpg) -239- リベッター&ナッター

現在入庫中のフェラーリ328も「リベット」が多用されています。確かに付ける時は楽なのですが、外す時は結構面倒です。DIY的でもありません。VOLVOはリヤバンパー脱着の際にはリヤホイール&タイヤを外さなければなりませんし…(外す時はアングルドリルで可能ですが、付ける時は…です)。ちなみにフロントバンパーの場合はタイヤを切れば(ハンドルを目いっぱい回して角度を付ければ)リベット外し&打ちは可能です。

工具の仕舞い方としては人によって多種多用だと思いますが、私的には「関係工具一式」を持ち運べる方が作業し易いと感じています。なので画像内のように、リベット&ナッター(ポップナット)関係の工具一式は箱に入れて、作業する車の側まで持っていってしまいます。リベットは数十種類もあったりします。

「ポップナット」とは、自動車車体修理(板金塗装業)では非常にメジャーな材料なのですが、一般的には余り知られていないかも知れません。こちらに見つけました。
身近な場所としては、フロントバンパーのナンバー取り付けビスを打ち込む箇所に使われていたりします。非常に便利な物ですが、諸刃の剣として、「空回り」してしまう状態になっているものも良く見受けられます。JEEPのラングラーのオーバーフェンダー取り付け部のナッターは5本に一本は空回りしてしまったりするのでで、その場合裏側をバイスクリップ(掴み固定の出来るペンチ)で固定しないと外せません。人間痛い思いは良く覚えていたりします…。

2006/06/29
 
jpg画像 使用ツール紹介(img238.jpg) -238- 使用ツール紹介

最近の車両の電装結線は「専用カプラー」がメインとなっているのですが、基本構造が昔から変わらないミニのような車両だと、未だに「ギボシ端子」などを多用したりします。それに限らず、後付けの社外品パーツなどが装着された車両も多いので、伝送系の小物は常備しておく事は自動車関係の現場では普通の事です。しかも「会社的」と言うより「個人的」に揃えている人は多いです。

画像は私が中学生の時に買った汎用4段工具箱で、今でも活躍しています。当時の私としては大枚の¥5,000くらいはした物なので、お蔭様で今でも大事に使い続けています。最近はホームセンターで非常に安い工具箱も揃っていますが、出来の良い物は粗暴な扱いをしても(日々の現場使用は仕方無いのです)やはり壊れ難いです。現場の人間として何より怖い事は、「今使いたい物が手元無い」事です。

2006/06/28
 
jpg画像 メルセデスCLK 塗装完了(img237.jpg) -237- メルセデスCLK 塗装完了

大変お待たせ致しました。本塗りは完了しております。と言っても、現在こちらのオーナー様は仕事でN.Y.に滞在している筈ですので、出庫はまだ先になります。NYから見ているでしょうか…。

修理内容としては、フロントバンパー左角を部分的な塗装(クイックスポット)にて対応し、バンパーレール(モール)は外して単体で一本塗っております。

一緒にお預かりしておりますスピーカーボックスも本塗り完了しております。そちらも後ほどアップしますので楽しみにお待ち下さい(恐らくスピーカーボックスの方が楽しみにしているような気がするのですが…)。

2006/06/28
 
jpg画像 後記になりますが・・・(img236.jpg) -236- 後記になりますが・・・

ホイールをお預かりした時の画像です。右のゴールドっぽいアルミを、左のガンメタっぽい色に変更しました。どちらも新品です。

2006/06/28
 
jpg画像 ホイール塗装 本塗り完了(img235.jpg) -235- ホイール塗装 本塗り完了

所謂最近流行の「メッキ調塗装」が施されたホイールで、画像右下が調色用にお預かりしたホイールで、左側棒で吊るされているのが今回塗ったホイールです。新品ですが、元々はゴールドっぽい感じでした。
基本的に当店では「メッキ調塗装」はまだ受け付けておりません。以前から作業内容は色々と勉強していたので頭には入っているのですが、ちょっと不可解な点が多く(足付けをしてはいけない工程があったり、水性の塗料を使ったりと)、今まで受付はしておりませんでした。
今回もそのつもりだったのですが、比較的「メッキ感」が少なく、私的な塗装のセオリーの枠を外れないでも出来そうなので特例として受付ました。
またこれに対応する材料も持ち合わせてはいないので、今回は知り合いの板金塗装屋さんに材料を小分けして頂く協力の下でも成り立ちました。500ccくらいで¥25,000の塗料です…。

本来の工程としては、

@ベース黒塗布(またはグレーなど)
Aクリアー塗布
B強制乾燥硬化
C足付け無しでメッキ調塗料塗布
D専用一液型水性クリアー(または10:1&大量希釈などの粗悪クリアーでもOKらしいです)
E自然乾燥硬化(または強制乾燥でも良いらしいです)
F足付け無しで2液ウレタンクリアー(これはいつも通りのクリアーでOKとの事です。塗らなくても良いらしいですが、耐候性が弱く数年でボロボロと剥がれるとの事です。足付けはしても良いみたいですが知り合いはしなかったそうです)。

所謂「鏡」の原理と同じような事を塗装で行う事により、反射率の高い「メッキ感」が表現出来る感じです。

私的には「塗れる」=「経年数劣化が極力無い」と考えているので、上記C〜が相当不安な感じがして、未だこのメッキ調塗装は受け入れられません。

今回は先ほど記載した通り、「比較的メッキ感の少ない」ガンメタな感じなので、工程としては

@ベースコート グレーメタリック塗布(STANDOX目調色&ハードナー5%混入)
Aメッキ調塗料塗布(極力薄く、ドライ2コート)
Bいつも通りの2液ウレタンクリアー塗布(STANDOX)
Cそして強制乾燥硬化

になります。これであれば「剥がれる」などのトラブルは無いと思われます。碁盤目テスト(密着性テスト)はクリアーしています。

明日一日置いて、明後日以降にはお渡し出来ると思います。完成次第連絡させて頂きます。楽しみにお待ち下さい。

2006/06/28
 
jpg画像 擬態(img234.jpg) -234- 擬態

自動車板金塗装と全然話が違うのですが、当店玄関横にある「スモモの木」(だと思うのですが…)に芋虫が3匹付いています。見事に木の枝と調和してしまっているのですが、写真中に二匹居ます。

次の企画車両としては、この「擬態」に纏わる事がコンセプトとなっております。今回は「キャメルトロフィーなLAND_MINI」で、次は「○○なLANDMINI」です。今回の車両が売れない事には発動出来ないのですが…。

2006/06/28
 
jpg画像 オリジナルブランドバッジ完成(img233.jpg) -233- オリジナルブランドバッジ完成

先ほど塗った黒が乾いたら、最初は#240くらいで研ぎ、#400→#600→#800→#1000→#1200→#1500→#2000→#3000と番手を上げていって、最後はコンパウンドで磨きます。コンパウンドは金属用の物では無く、いつも使用している塗膜用でも問題ありません。出っ張った箇所が磨き込まれ、凹んだ箇所は先ほど塗った「艶消し黒」が残ります。味がある良い感じに出来たと思います(私的見解です。鋳造の経験は初めてなので何卒ご了承下さい)。

手前側の物がボンネットの既存位置に装着され、奥の失敗っぽいのはオマケでトランクリッドに装着します。

2006/06/28
 
jpg画像 オリジナルバッジ塗装(img232.jpg) -232- オリジナルバッジ塗装

塗装と言っても、ちょっと趣向を凝らした感じに仕上げる為に行うだけです。
いつも通り、裏表にウォッシュプライマー(食い付きは良好です)を塗布し、その後艶消しの黒を塗ります。

小学生の頃、技術か美術の授業で「粘土細工を金属風にする」なる塗装を経験した方も多いのでは無いでしょうか。最初にライムグリーンを全部塗り、その後カッパー(銅色)を適当な感じに塗ると、凹んだ部分のみライムグリーンが残り、いかにも「緑青」(ろくしょう:銅の錆)が発生した「銅製品」な感じに仕上がります。今回のバッジはそれと同じような仕上げにします。荒れた素地表面を逆手に取る方法です。

2006/06/28
 
jpg画像 金属のエッチング(img231.jpg) -231- 金属のエッチング

ハンダ(低融点金属)をエッチングするのは初めてですが(DUPONTのマニュアルにも鉄かアルミしか記載ありません…)、私が思うに、生成時の金属表面には多くの不純物があると思うので、やはり素地調整は欠かせません。いつも通りデュポンのリン酸で処理をすると金属の表面は綺麗になります。ちなみに地面のコンクリートはアルカリ性なので、酸により泡が発生します。溶けているのでしょうか…。

2006/06/28
 
jpg画像 オリジナルバッジ鋳造作成 ついに完成(img230.jpg) -230- オリジナルバッジ鋳造作成 ついに完成

大変お待たせいたしました。ついに鋳造画像アップです。アップ出来なかった理由として、「知的所有権」(著作権)の申請がまだ下りていなかったのですが、本日無事認可されました。「認可」と言ってもこれは特許のように面倒な手続きはありません。自分のアイデアやネーミングなどを考えた(申請した)日付などを「第三者機関」によって証明して貰う為の申請です。書類が¥400で、申請料は¥3,000、あとは現金書留費用くらいです。書類を作るのが少々面倒なくらいです。
「LM mini」企画とは「LANDMINI」企画の事で、今回の「LAND_MINI」の製作にあたっては、当初より企画書やデザインを形(書類)として作成してあり、これらを提出しただけだったので比較的申請は簡単でした。
「LAND_MINI」とは、「LANDROVERなMINI」がコンセプトとなっております。さらにそのLANDROVER社の「DISCOVERY」の限定車である「CAMELTROPHY」(キャメルトロフィー)な感じにMINIを仕上げております。
現在、車体外側に付く装飾品数点は鋼材加工屋さんに依頼中で、ステッカーは既に完成したそうなので、後日届く予定です。完成まで後1〜2週間くらいの予定です。

話はそれましたが、鋳造はこんな感じで型から出来て、この後ポリッシュを行い、メッキのような仕上げにします。

2006/06/28
 
jpg画像 コスワースヘッドカバー(img229.jpg) -229- コスワースヘッドカバー

本日は確認のご連絡ありがとう御座いました。
通常のヘッドカバーと違い、凸部と凹部が独自な形態でありまして、「どこまで鏡面状仕上げにすれば良いのだろう・・」と疑問に思い、それらの個所の確認をさせて頂きました。通常文字部が「凸」になっていますが、これはその周りが凸になっていて、文字自体は凹になっています。なので凸部は全て研磨して鏡面状に仕上げ、文字内部には色が入ります(塗装されます)。
予定としては、明日エッチング(リン酸処理)をして、本塗りに入る予定です。完成楽しみにお待ちください。

2006/06/27
 
jpg画像 コミキ作(img228.jpg) -228- コミキ作

上手く塗れたと思います。ちなみに材料はボディとはちょっと変えて「1コートソリッド」です。同業者さんであれば解ると思いますが、クリアーよりも垂れ易いなどの難しい面もあります。それも踏まえて「上手く塗れた」と思っています。画像では「裏側は垂れていないかな…」のチェックです。いつも私が言っている事で、「塗り終わったら必ず見直しをして」の行動です。

2006/06/27
 
jpg画像 ホイール塗装(img227.jpg) -227- ホイール塗装

ホイールはボディと同色に仕上げます。今回の塗装担当はコミキです。
ちょっと前に知り合いのホイール塗装を練習として行い、案の定「ナイアガラ」(極度のタレ)を経験し、ホイールの塗装の難しさを痛感していた模様です。今回も黙って見ていましたが、仕上がりは上々でした。まだ塗装を始めて2年も経っていませんが、普通の人間ではあり得ないくらい上達が早いです(かと言ってコミキがお客様の車を塗る事はありません。今回のようなケースのみです)。
ちなみに彼は後半年くらいで独立する予定です。それでどうなるかは解りませんが(車の仕事をするのかどうかも解りませんが…)、当初よりそれを決めての教え方もしていたので今が何とかなっているとも思います(相当無理な事を色々とやらせましたので…)。

2006/06/27
 
jpg画像 ルーフキャリア&ホイール エポキシプライマーサフェーサー塗布(img226.jpg) -226- ルーフキャリア&ホイール エポキシプライマーサフェーサー塗布

テッチンホイール(鉄製のホイールの事です)の弱点として、製品上で部品間の「隙間」があり、この隙間内部は処理し切れない面があるので、これの対策としてエポキシ系のプライマーを奥まで入れます。ついでにルーフキャリアもエポキシで固めます。
この「固める」の表現としてはエポキシ系こそが許される表現だと思っています。
「パテで固める」や「接着剤で固める」などの表現だと、それらは何系の樹脂なのかにより、受け取り方や感じ方は大きく変わります。例えば「ポリエステル系パテ」(一般的な板金パテやファイバーパテ、アルミパテなども)やラッカーパテで「固める」なる表現を使うと、私的には「手を抜いた作業」と感じてしまいます。私的には「固める」なる説明は「エポキシ」のみ許される表現ではないかと考えております。

しかし「エポキシ」の特性上、作業効率は非常に悪くなります。例えばパテの塗布から研磨までの時間として、単純に10倍以上の時間が掛かります。見た目の仕上がりも決して良くはありません(巣穴が多いのと表面が粗い)。さらに弱点としては「耐候性が無い」なので、その上に何かしら耐候性の良い素材で紫外線からカバーしなければなりません。なので活躍する場面としては、その多くが下地となってしまいます。自動車のボディー外板に一般的なエポキシクリアー(ビスフェノールA型)使うと、あっという間に横変(変色して黄ばむ事)してしまいます。白いボディはクリーム色に変わってしまうのです。

なので、今回のように下地で使うプライマーサフェーサーの場合、そのまま上塗りまで同時に行ったりします。何度か説明している「ウェットオンウェット」の工法です。塗膜が完全硬化する前に、その上に別種類の塗料を塗装出来たりもします。
セオリーとしては、同等の物か、下塗りよりも溶剤の弱い物で順番に行います。
一般的な溶剤の強さを順番にすると、
・エポキシ→ポリエステル→ウレタン→ラッカー→フタル酸(ペンキ)
となります。この順番を間違えて「ウェットオンウェット」を行うと「チヂレ」ます…。これは完全硬化していても同じ事が言えます。なので旧塗膜にポリエステルパテを乗せたりすると、下地が侵されて「チヂレ」が発生し、所謂「パテ痩せ」なる現象が起きたりもします。
今回のウェットオンウェット工法としては、単純に「エポキシ」→「ウレタン」となり、セオリーに逆らっていないので「チヂレ」も起こさず、良質の密着性も確保出来ます。

2006/06/27
 
jpg画像 LM MINI用ホイール&ルーフキャリア到着(img225.jpg) -225- LM MINI用ホイール&ルーフキャリア到着

今車体に履いている(装着している)ホイールは仮のもので、今回のコンセプト上、このテッチンホイール(鉄製ホイールの事です)が必要なのです。ルーフキャリアもです。先日ミニ屋さんが持って来てくれました。いつもお手数お掛けして申しわけ御座いません。

ミニの車体もそうですが、綺麗な状態に見えてもやはり手直しが必要な部位は多々あります。ホイールもそのまま塗れる訳では無く、ルーフキャリアもそうです。本日かなりこの下地処理に時間を取られました。
キャリアは既に「艶消しの黒」の状態ですが、この塗膜が恐らく缶スプレーによるラッカー塗装の為、この上に塗るエポキシ系の塗料では「チヂレ」が発生してしまいます。旧塗膜の黒が弱すぎる為、強いエポキシ溶剤に侵されてしまうのです。なので黒を取り除くのですが、その下から出てくる「白」はもっと厄介です…。恐らくメラミン樹脂塗料か、一液熱硬化型などの低温焼付け型塗料(150℃くらいの熱により硬化する一液型の塗料)で、これの特徴としては「優れた密着性」なのですが、それの良い面を利用してか「プライマー」が入っていません(塗られていません)。なので経年数により素地金属(鉄)との密着性が悪く、ボロボロと剥がれて来ます(実際にはそんなに簡単に剥がれないのですが、塗装屋的な観点からしての表現です)。なのでこれも全て剥がします。

2006/06/27
 
jpg画像 フェラーリ328入庫(img224.jpg) -224- フェラーリ328入庫

本日は遠方よりのご来店、ご足労頂きありがとう御座いました。

今回のご依頼としては、左リヤ部に何かしらの薬品を撒かれた様子で、塗膜にシミが出来てしまっております。損傷個所としては、リヤゲート、左リヤフェンダー、リヤバンパーです。下地まで達している訳ではありませんが、塗膜のどこまでが侵されているかにより作業内容は変わります。これは手を付けてみないと(作業してみないと)解りませんが、修理は車両保険の適用(使用)となるので、これらは保険会社と当店でのやりとりとなります。なので車にとって最善の方法を選択しますので何卒ご安心下さい。
明日アジャスターさん(保険会社調査員)が来られるとの事ですので、OKが出ましたら作業開始致します。おってこちらのサイトで作業内容を説明させて頂きますので、完成まで今しばらくお待ちください。

2006/06/27
 
jpg画像 「LM Mini」(仮名) 60%完成(img223.jpg) -223- 「LM Mini」(仮名) 60%完成

「鋳造」の作業紹介はまだ途中ですが、車体の完成度が半分を超えておりますので、一旦ここでこちらの内容を紹介させて頂きます。

写真の撮り方で、画像のボディカラーと実際のボディカラーは違って見えます。実際には淡くて渋い黄色で、落ち着いた風合いです。
「MINI」の外装には「メッキ」部分が多々あり、今回のコンセプトの内容からして、これらのメッキ部は極力無くさなくてはなりません。しかし通常メッキには塗装の密着性が非常に悪く、塗る事は出来ても簡単に剥がれてしまう結果となります。密着剤などの使用では、バンパーなどに当たった飛び石などで簡単に塗膜が剥がれて(欠けて)しまったりします(しかし実際には密着剤の説明書に「メッキにもOK」的な事が書いてあったりもします…)。
しかしこの「メッキへの塗装」は、既に2年前に塗装工法を確立してあり(塗装と言うより下地処理の方法です)、碁盤目テストをクリアーしているのは勿論、メッキ表面とその上の塗膜(プライマー)でのフェザーエッジ部も美しく食いついています。密着不良で良く見られる「フェザーエッジ部が取れない」「エッジが切れる」などの問題は全くありません(同業者さんであればこの表現で理解出来ると思いますが…。説明し難くてすいません)。

これにより、前後バンパー・ヘッドライトリム、各部アウターハンドル・水切りモールのメッキ部分と、アルミ製のフロントグリル、FRP製のオーバーフェンダーを「艶消し黒」にして、全体を落ち着いた雰囲気にしつつ、引き締まったイメージにしています。ガラスモールのメッキ調部分も艶消しの黒にしました。

この後にはまだまだ装飾品が付きますが、この状態でもかなり真新しいイメージであるとも思います。ミニは比較的オーナー好みに仕上げられる車両が多く、時には奇抜なデザインもよく見られますが(前回のレモン入れローの様に…)、今回のデザインで気をつけている事は、「独自性」と「上品感」と「自然な風合い」のバランスです(と言っても、これから付く装飾パーツで独自性がずば抜けていってしまいます。それにより、「今までに類を見ない」までもが可能となります)。それがまだ完成しないのですが…。

2006/06/26
 
jpg画像 スピーカーボックス補修も(img222.jpg) -222- スピーカーボックス補修も

CLKは既に下地が完了し、明日本塗り予定となります。今回CLKとご一緒に依頼されたものとして、「スピーカーボックス」があります。一本(一個)10万円以上する名機との事です。
木(「モク」と呼びます)の塗装としては、職業訓練学校在勤時にも多少勉強させて頂き、当時は「研の粉で目止め」なども習ったのですが、今回は特にその工法に拘らず、割れた部分などの補修は通常のパテ(ポリエステルパテ)を使用します。既に何回かウッドパネル(自動車内装に使われるローズウッドなど)の補修にも使用しているので、(と言うより、上にウレタン系塗装をするのでこちらの方が適しているとも思えます)問題は無いと思います。
既存の状態では、多少木目の残った「半艶の黒」なのですが、ご依頼内容としては「ピアノのような艶々の黒に」となります。しかしこれは結構大変な事です…。木の塗装は「目止め」が必要な理由として、表面に多くの「気孔」があり、これを「埋める」或いは「抑える」為の下地が大変なのです。若い頃に十分痛い思いしました…。

ちなみに現在この「スピーカーボックス」の他に、木製品の塗装依頼で預かっている品があります。後にどこか(確か表参道辺りだったと思いますが)のギャラリーに展示されるとの事で、今回塗装のご依頼を承りました。まだ展示前なので公には出来ませんが、内容的に珍しい一品なので、後日是非紹介させて頂きたいと思っております。こちらもとにかく手の掛かる作業でありますので…。

2006/06/26
 
jpg画像 メルセデスベンツCLK入庫(img221.jpg) -221- メルセデスベンツCLK入庫

先日はご足労頂きありがとう御座いました。そしていつもご贔屓ありがとう御座います。

既に何回かお世話させて頂きますCLKで、今回はフロントバンパー左部の補修となります。バンパーの部分は部分的な補修クイックスポットで行い、モール(レール)部分は取り外して塗ります。

2006/06/26
 
jpg画像 金属注入(img220.jpg) -220- 金属注入

さっきまで固体だった金属が液体に変わっている状態はかなり感動的なのですがですが、温度は240℃を超えているのでそれを忘れてしまうと結構危険です。作業の際には軍手では無く「皮手袋」の装着を忘れずにしましょう。

2006/06/26
 
jpg画像 鋳造失敗例(img219.jpg) -219- 鋳造失敗例

先ほどの画像内に説明があった「湯口」ですが、これが小さかった為、溶けた金属が奥まで到達する前に湯口が詰まってしまいました…。本来は空気の逃げ道的な穴を確保しておくのですが、今回はそんなに精密なデザインでは無いので油断しておりました…。なのでこれの対策として、湯口の直径を倍程度まで広げて対処します。
また、今回は低融点な事が逆に仇となったとも思われます。注入している内に金属が冷やされてしまい、結構早い段階で凝固してしまいます。これの対策として次の作業では「十分に熱して」を行なうのですが、熱し過ぎてしまったのか、金属内に炭化したようなカスが多量に発生してしまいます。これのせいで溶解した金属が十分に型の隅々まで届かず、また失敗してしまいます。どうやら熱し過ぎてはいけないようです…。

2006/06/26
 
jpg画像 オリジナルバッジ作成 いよいよ鋳造本番準備(img218.jpg) -218- オリジナルバッジ作成 いよいよ鋳造本番準備

ここまでも苦労しましたが、ついに「型」(耐熱シリコン樹脂)に低融点金属(恐らくハンダ)を注入します(しかしここからもかなり失敗を起こすのですが…)。

一応確認の為に説明させて頂きたいのですが、今回の「鋳造」は本業の「板金塗装」(車体修理業)とは日常的に縁遠い作業であり、作業自体が「ご依頼」では無く、極めて私的な挑戦と作業である事をご理解ください。なので文中にて「失敗」なる言語が多く出てきますので心配なさらないようにして下さい。


今回使用した「低融点金属」は、融点が240℃と低く(一般的なアルミで660℃です)、家庭用台所のコンロでも溶解します。オーブンでも可能でしょう。しかし工場内にコンロは無いので、キャンプで使用するガス式の携帯バーナーを使用します。金属を溶かす時に使用する器としては、「るつぼ」なる専用の物があるのですが、240℃くらいであれば身近な物で大丈夫だと思います。私は塗料を入れる金属製の小さな容器を使用しました。同じように利用出来る物は100円ショップでも簡単に手に入れられると思います。ちなみに金属を直接バーナーなどで熱してしまうと「酸化」か「炭化」が起こる可能性があるので、やはり鍋などに入れて熱するのが望ましいと思います(アルミはボロボロになったりするそうです。今回同じ様な事で失敗もしました)。

シリコン型は上下で分割するように作成しているので、これはバイスで固定します。この固定が甘いと、隙間から溶けた金属がこぼれてきます(これも今回経験済みです)。金属では無くエポキシレジン(樹脂)などの場合にはゴムなどでOKです。念のためお皿か何かを下に敷いておくと良いでしょう。


2006/06/26
 
jpg画像 レンジローバーボーグ 出庫(img217.jpg) -217- レンジローバーボーグ 出庫

先日掲載していたリヤバンパー交換のレンジローバーです。本日はご足労頂きありがとう御座いました。

こちらのオーナー様非常に車が好きらしく、今までも相当色々な種類の車種に乗ってこられたようです。話を聞いていると驚かされます(10台や20台どころでは無い気が…)。
本業は映像関係との事で色々な国を飛び回っていて大変そうですが、毎日同じ場所で仕事をしている私としては羨ましい限りです(特に今の環境に不満を持っている訳ではありませんが)。

ちなみに本日こちらのお客様が話していた「ユーチューブ」のサイトですが、発見しました。「U tube」かと思っていたら「youtube」だったんですね。
アメリカのフリーの映像配信サイトで、それを利用する醍醐味としては、自分の作った作品が手軽にアップロード(公開)出来る、との事です。使い方次第では、無料で映像付きの広告(CM)が出せるみたいです。まだちょっと見ただけですが、結構面白いのを発見しました。トップページにある「Where the Hell is Matt?」です。馬鹿らしい事を相当真面目に作ってたりしてます…。結構笑えました。

この度はご贔屓ありがとう御座いました。お仕事も是非がんばって下さい。

2006/06/25
 
jpg画像 そして反転してシリコン樹脂注入(img216.jpg) -216- そして反転してシリコン樹脂注入

先ほどのシリコン樹脂が硬化したら、型枠(400ccポット)より取り外します。
この時点ではシリコン樹脂からマスター(バッジ土台)を外してはいけないのですが、早く確認したいが為に焦っていた為か、外してしまいました。その前にもちょっとした勘違いで一回失敗してたりします。なのでここまでで既に3回目になっています。

型から取り外して、そのままの状態で上下をひっくり返し、再度カップに入れます。今度はバッジ土台の裏側の型を取ります。
そして後に鋳造する際に金属(はんだの様な物ですね)を流し込む為の「穴」を作っておく必要がある為、その個所も油粘土で作成しておきます(実際にはこの穴が小さ過ぎた為に後に失敗します…)。

シリコン樹脂で作る「メス型」は、上下分割式にする為(使い捨てではありませんので)、先ほど作ったシリコン樹脂部分の表面には離型剤を塗っておきます。そして再度作ったシリコン樹脂を流し込みます。
そして硬化したらカップから取り外します。開いた瞬間はありえないくらいの感動を体験出きると思います。

2006/06/25
 
jpg画像 そしていよいよシリコン樹脂注入(img215.jpg) -215- そしていよいよシリコン樹脂注入

頭の中では既に何回も作成し完成してたりするのですが(既にシリコン樹脂は数年前に購入済み。しかし今回は耐熱シリコン樹脂が必要だった為新たに購入してます)、本格的な型取り作業は初めてなので非常に楽しいです。
ちなみに簡単な型取り用の樹脂としては「型取り君」なる商品も販売されています。今回のように精密さを求めなければそれでも十分型が取れますので、そちらの方がDIYには向いているかも知れません(しかし耐熱性はありませんので鋳造はNGです)。

最初に土台の窪みの淵に粘土(今回は油粘土(商品名:あぶら粘土))を少し付けてからプレートをはめ込みます。隙間から溢れてくるあぶら粘土を綺麗にふき取ります。これにより隙間も埋まるので樹脂が隙間内部に浸透する事も防げます。

そして樹脂注入の準備としては、型のマスターとなる物の下にあぶら粘土を敷き詰め、そこにマスター(バッジ土台)を埋め込みます。通常周りはアクリル板や木枠などで囲んでその中に粘土を敷いたりしますが、今回は身近にある塗料カップ(400cc)を使います。

マスター(土台)がきちんと粘土にフィットして埋まっている事を確認したら、ついにシリコン樹脂を流し込みます。
常温で4時間くらい必要ですが、幸いにして強制乾燥をする為の設備は整っているので、40℃20分→80℃1時間として時間を短縮させます。

2006/06/25
 
jpg画像 オリジナルロゴプレート作成(img214.jpg) -214- オリジナルロゴプレート作成

写真では見苦しい点がありますが、こちらはまだ申請が下りていないので、現状社外秘扱いとなっております。申し訳御座いません…。後日公になりますので何卒ご了承ください。

先ほどカッティングプロッターで作成したシールの文字を、出来上がったポリエステル樹脂プレートに貼り付けます。
この後、このプレートに「サンドブラスト」を行う事により、シールを貼り付けた個所以外の部分が掘り下げられる事になります。ポリエステル樹脂は削れ易く、シール部分は柔らかいのでサンドブラストから耐えられるのです。
結果、シールの文字部分が凸状になり、格好良い「浮き文字」のデザインが出来上がるのです。家の玄関に付ける石製の「表札」などもこのような方法で作るのでは無いでしょうか(私的想像ですが)。

2006/06/25
 
jpg画像 オリジナルバッジ内プレート作成(img213.jpg) -213- オリジナルバッジ内プレート作成

土台から七宝焼きプレートを外して気が付いたのですが、土台と七宝焼きプレートの接合面は「平面」では無く、丸みを帯びた円錐状になっている為、単なる「平面プレート」を作成してもきちんと土台にフィットしません。なので、土台を「雌型」として、プレートの元型素材を作ります。

方法としては、土台凹部に離型剤(スプレーシリコン)を塗り、その窪みにポリエステル樹脂(FRP補修で使う物。商品名:リゴラック)を流し込みます。これだけです。
ポリエステル樹脂が硬化したら、土台から外します。が、一回目は外すのが早過ぎた為に割れました…。薄い為、きちんと硬化していないと簡単に割れてしまいます。しかし完全に硬化させてしまうと、今度は外すのが大変になってしまいます。土台がシリコン樹脂のように柔らかければ(変形すれば)いいのですが、金属なのでそれが出来ません。
再度同じ事をして、今度は慎重にタイミングを見計らって取り外します。

2006/06/25
 
jpg画像 Pro_Fit 企画物発動しています(img200.jpg) -200- Pro_Fit 企画物発動しています

6月に入ってからは比較的仕事も落ち着き、ついに前々から構想していた企画物を発動致します。この様な「誰からの依頼でも無い仕事」は初めての事では無いでしょうか。
ちなみに今までこの日記に掲載されていた「企画物」の意味とは、プロフィット本来の目標・作業である「新車時の状態に近く」や「限りなく元の状態に戻す」事柄以外の事になります。今までの企画物としては、その方向性・目標としては色々な物がありましたが(某大手メーカーの景品になる、イメージキャラクター仕様のスクーター作成などもやりました…)、どれも必ずクライアント様(依頼者・顧客)が居たり、デザイナーさんからの指示があったりと、こちらからはその依頼内容への細かいアドバイスが主となっておりました。
しかし今回は、コンセプトからデザイン、そして実作業までを当店で一括して行う試みとなっております。
しかし私の信条でもある「依頼者が居るからこそ作業に身が入る」の考え方からして、今回のような作業は余り気が進まず(アイデアのみどんどん進行)、中々行動に出る機会がありませんでした。それが今月に入ってようやく実行可能となった訳です。

企画内容については頭の中に詰まっていただけなので、それらを形にするべく、資料集めやら資料作成(特にイラストレーターを使ってデザインを興すのに時間を費やしました…)、そして各アイデアは知的著作権としての申請も行っております。
しかし忙しくなってしまったらこちらの(自社企画物)の作業は止まってしまう為、これらのデスクワーク的な作業をしながら平衡して実作業(現場作業)も進めていかなくてはなりません。頭が混乱しがちです。
しかし周りの方々から多くのご支援を頂き、実際にはかなりのスピードで企画&作業は進行しております。また、この「プロフィット日記」とは別に、それ専門のサイトを立ち上げる事も検討しております。そちらも進み次第ご案内させて頂くと思います。進行状況は(極力)毎日更新していきたいと思います。




2006/06/21
 
jpg画像 ローバーミニ 組み付け前状態(img199.jpg) -199- ローバーミニ 組み付け前状態

最近ではとにかくこの車両が派手で、通りかかる人皆さん注目していました。こんな色にしても許される所がミニの良い所だと思います。私的にはちょっとキツイですが…。とにかく黄色系は「虫」が沢山寄ってきてしまうので…。

こちらのミニの作業をご依頼頂いた元請さんが先日言った言葉が「塗装こそ最高のカスタムだよねー」的な事でしたが、なるほど確かにそれもあると思います。同じ車両でもいきなりイメージが変わってしまいますし、誰が見てもビフォアーアフターの違いが解りますし。

私的には色を変えてしまうような全塗装よりも、損傷(事故)前の状態により近くする作業の方が全然難しいと思います。一から自分本位で作る芸術品よりも、それを修復したり、それに酷似させる贋作の作成の方が実は難しい事なのでは?と思ったりもします。これは昔読んでいた漫画で「ギャラリーフェイク」なる作品があり、それの影響もあるのだと思います。「絵画に使われている特殊な顔料を調べ上げ、まずはその調達から仕事が始まる」なんて内容は結構面白いです。リンク先ではサンプルが見られます。本編は有料なのが残念ですが…。私も機会があれば単行本手に入れたいと思います。

2006/06/18
 
jpg画像 ローバーミニ 全塗装直後(業者様依頼)(img198.jpg) -198- ローバーミニ 全塗装直後(業者様依頼)

そして塗装完了です。同業者さんであれば解って頂けると思いますが、とにかく染まらない(隠蔽しない)色です…。レモンイエローですね…。
最初に下色として白を1コート入れましたが、その上が染まりきらないとキャンディー塗装になってしまうので、イエローは7コート入って(塗って)おります。ここまでベースコートを入れてしまうと(塗ってしまうと)「艶引け」の原因にもなりますが、シンナー設定(希釈率・揮発速度)を適正に行い、キッチリ「ウェットコート」を心掛ければスタンドックスの場合「艶引け」は起りません。デュポンの場合はある程度「艶引け」は起きてしまいます。勿論両者とも、ベースコートを7コートもすれば「硬化不良」の起る可能性が高くなるので(これもデュポンの場合起こり易いのです)、ベースコートにもハードナー(硬化剤)を適量混入します(基本的にはデュポン・スタンドックス共にベースコートには硬化剤を入れなくても塗装可能です)。

ルーフはオールドイングリッシュホワイト(ちょっと黄味掛かった温か味のあるホワイト)になりますが、こちらは一旦イエローを完了させてからとなります。二度手間にはなりますが、この方が仕上がりは良く出来るからです(勿論これはケースバイケースです)。

2006/06/18
 
jpg画像 ローバーミニ 全塗装直前(業者様依頼)(img197.jpg) -197- ローバーミニ 全塗装直前(業者様依頼)

最近ミニの全塗装をする機会が多いですが、中まで塗る「色変え全塗装」は基本的に受け付け停止中となっておりますので何卒ご了承ください。外側のみの「同色全塗装」は受け付けしております。

ローバーミニの場合、車体本体からドア・トランクへの配線はありません(ガラスは手動ですし…)。なのでドアパネルを車体から外すのはそんなに手間ではありません。通常の車は車体からドア内部やトランク内に配線が通っているので、これを外す手間があります。リヤゲートなどは結構大事です。当店では内部まで塗る場合の全塗装では、各部品は外して塗る事が前提なので、4ドアの場合などはかなり時間が掛かってしまいます。先に内部を塗ってから一旦組み付けて外側と通して塗るか、或いは単品で塗るか、どちらにしても内部を塗る場合は外して塗ることが基本と考えております。そうしないと、スプレーし難い個所は「粉を吹いた」ようにガサガサな仕上がりになってしまいます。これは美しくありません…。業者さんからの依頼のみ、特例で付けたまま塗るケースもありますが、やはり許されるのであれば(コスト的にですね)外して塗ります。なのでミニの全塗装依頼は結構受け入れやすく、頻繁に行っていたりする訳です。

ベース車両としては、やはりある程度年式が経っているので、各個所に錆も発生していたので(穴も開いていたので)、下地処理の範囲は多少広くなっております。ガラスの淵はどうしても錆び易いですね。特にミニの場合、普通の(近年の)車両の亜鉛鋼板とは違うので錆の侵食は大きいです…。左右のドアは既に下側が錆により腐っていたので、こちらは左右とも中古部品の程度良のドアに交換します。しかしミニの場合、車両毎に寸法が違うので、他の車から取ったドアがそのまま付かないケースもあります。ガラスまでもが大き過ぎて付かないケースもありますし…。それも個性があって良いのかも知れませんが、作業する側としては時々困ります(と言っても知っていれば些細な問題に過ぎませんが)。

2006/06/18
 
jpg画像 アウディA4 出庫(img196.jpg) -196- アウディA4 出庫

本日は(先日は)ご足労頂きありがとう御座いました。本日出庫したアウディになります。
こちらのオーナー様にも多々お世話になっておりますが、人の不幸の上で仕事が成り立つのはやはり少々心苦しい所でもあります。「またどうぞ」などとは言えませんし…。
しかしお困りの際にご用命頂けるのはやはり嬉しい事であります。そんな事態が起きてしまった時には、少しでもオーナー様の不安を解消出来るように勤めていきたいと思っております。
前回の入庫時にはまだ「塗装カルテ」を作成していませんでしたが、今回苦労した調色作業では、内容の濃い調色データを残しております。万が一の時に、さらに的確な修理方法を提示出来るよう、板金・下地処理の内容や使用した材料、塗装した時の状況などをデータとして残しておりますのでご安心下さい。

内外装共に状態良く維持されておりますので、今後も末永く乗り続けられる事と思っております。御不備な点など御座いましたらお気軽に申しつけ下さい。この度のご依頼・ご贔屓、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 メルセデスベンツ500E 出庫(img195.jpg) -195- メルセデスベンツ500E 出庫

こちらは本日(もう日付変更したので昨日ですね)出庫しました、ボンネットを交換した500Eになります。

先にも記述しましたが、ボンネットはオーナー様自ら中古品を探し(これが基本となり、当店での中古部品検索代理購入はしておりません)、当店での作業はこちらの交換と、ポリッシュのみとなります。

ボディとボンネットはどうしても多少の色違いは解りますが、オーナー様的には問題無い御様子でしたので良かったと思います。元々付いていたボンネットは、塗膜劣化により「総剥離」の必要もある状態でしたので、その修理費に比べれば出費は抑えられたと思います。

オーナー様的には他にも気になる個所がまだあるとは思いますが、とりあえずは今回の状態になって洗車も楽しく出来る事と思います。「外観」は実走行する上では関係の無い事ではありますが、美観を大事にする気持ちが無くなると、オイル交換などの消耗品交換する意欲も無くなり、ついには車両自体の寿命が短くなるとも考えられます(私的見解です)。是非末永く乗り続けられるよう、私も応援しております。もう一台の御車(ベンツワゴン)も維持し続けられると良いですね。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 アルファ スパイダー 完成(完了)(img194.jpg) -194- アルファ スパイダー 完成(完了)

先日既に出庫済みとなりますが、出庫直前の画像を掲載させて頂きます。先日はご足労頂きありがとう御座いました。

入庫時には猫による引っ掻き傷や洗車傷により塗膜本来の艶が無かった状態でしたが、今回のご依頼(各部塗装&ボディ全体ポリッシュ)で美しい状態に戻れた事と思います。後日オーナー様よりメール頂き、より一層愛着が湧いたとの事でこれは本当に何よりです。ありがとう御座いました。

イタ車なアルファなだけに、今後も維持するのは普通の車よりも大変な面が多々あるとは思いますが、是非末永く乗り続けられるよう応援しております。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 レンジローバー カラーデータ情報(img193.jpg) -193- レンジローバー カラーデータ情報

このレンジローバーの塗色は今まで結構経験があり(業者様からの依頼が殆どなので日記には掲載していませんが)、以前の掲載でも説明しましたが、塗料メーカーに記載のカラーデータは実車とはちょっと違います。データ上ではブラックの原色に少量のホワイトパールのみとなっていたりしますが、実際にはレッドパールやグリーンパールも混入されています。塗膜顕微鏡・肉眼どちらでも確認出来る程です。なので今回は前回の依頼時に作成した独自のカラーデータ(塗装カルテ)を参考にして調色をします。作業時間が短縮出来るのは勿論なのですが、何よりこのような事(色味・調色作業等)でオーナー様の不安が少しでも解消されれば、と思っております。

ちなみに今回の損傷は内板(リヤパネル)にまで至っておりませんでしたのでご安心下さい。
現在海外出張中との事と存じますが、日本への無事のご帰国お待ちしております。

2006/06/18
 
jpg画像 レンジローバー 作業完了しております(img192.jpg) -192- レンジローバー 作業完了しております

掲載が大変遅れてしまいましたが、作業は既に完了しております。ご安心下さい。画像は完了した状態になります。

こちらは以前、左リヤドア交換と左フロントドア板金でお世話になりました方で、今回は後ろからの車両に追突されてしまいました。パッと見は損傷具合は解らない程度でしたが、追突した方の車両は結構なダメージだったとの事です。レンジは重くて硬い為でしょうか…。

修理内容としては、リヤバンパー交換&塗装、リーンホースメント交換(バンパーの骨で鉄製)、バンパー付属品交換、左クォーターパネルにもバンパーが押された時の損傷が少し見られたのでこちらも塗装になります。

各修理内容は後述致します。とりあえずは完成の報告を先にさせて頂きました。

2006/06/18
 
jpg画像 AUDI A4 本塗り完了!(img191.jpg) -191- AUDI A4 本塗り完了!

そして本塗り完了です。
いつも掲載している「本塗り完了」の時の画像は、本塗りが完了し、全体的に見直しをしてから撮影しています。この時点で、塗膜はまだヌルヌルした状態です。この後、一時間程自然乾燥でファンを回しっぱなしにし、その後強制乾燥(所謂「焼き」ですね)をします。場合によっては(2Kエナメル3コート塗装時)3時間程空回し(自然乾燥)させる場合もあります。塗ってから直ぐ熱を掛けると、塗膜中の溶剤が一気に抜け、塗膜表面にピンホール(所謂「ワキ」です)が多数発生したりします。急ぐ場合は、自然乾燥では無く「予熱乾燥」を行ったりもします。予熱乾燥とは、40℃15分くらいで比較的早めに塗膜中の溶剤を抜くことが出来たりします。本乾燥は60℃〜75℃くらいで40分〜60分が目安になります。この幅としては、塗料の性質や被塗物によって変えたりします。
予定では明日には完成出来ると思います。お待たせして申し訳御座いませんでした。作業完了後、改めて連絡させて頂きます。

2006/06/14
 
jpg画像 メルセデスベンツ500 中古ボンネット(img190.jpg) -190- メルセデスベンツ500 中古ボンネット

先日はご来店頂きありがとう御座いました。

こちらはメルセデスベンツの中古ボンネットで、ポリッシュを終えた状態です。

ご依頼内容としては、既存のボンネットの塗膜が粉を吹いたように劣化し、半分以上艶の無い状態(細かいクラック)で、それを修理する場合、旧塗膜を全て剥離し下地を作り直さなければならない状態でした。しかしそれは非常にコストの掛かる内容となります。なので、同色の部品を手に入れ、「それをそのまま付けてしまおう」との事となりました。
しかし当店では中古部品の手配はしておりません。これの理由として、お金を払って買った部品の塗膜に当初想像しなかった問題が発生していた場合、それは単なる産業廃棄物になる危険性がある為です。写真を見るだけや、先方(売り手ですね)の話だけで判断は出来ません。
しかしお客様がご自分で部品を探し、手配するのは問題御座いません(場合によっては受け付け出来ない場合もありますが)。発送先は当店宛てでOKです(勿論事前に打ち合わせは必要です)。
今回は幸いにも塗膜自体に「剥がれる」等の問題はありませんでした。全体的なポリッシュもご依頼頂いたので現在は綺麗な状態になっておりますが、中古部品の為やはり傷は数箇所付いております。しかしこちらは事前に「保管傷アリ」との事でしたので、オーナー様も問題にはしておりません。私的にも比較的「当り」な部品だと思います。

屋根のポリッシュも完了はしましたが、旧塗膜の問題についてまた改めて報告致します。
作業自体は完了しておりますので、明日ご連絡させて頂きます。楽しみにお待ち下さい。

2006/06/14
 
jpg画像 AUDI A4 本塗り前(マスキング完了)(img189.jpg) -189- AUDI A4 本塗り前(マスキング完了)

そして本塗り前の状態です。塗装パネルについている付属品は殆ど外しておりますが、リヤガラスのみ唯一そのままです。勿論外す必要がある場合は外しますが、私的には新車時のシーラーを剥がしたりする事が好きではありませんので、いつもの通りモールリフティング処理を行います。勿論この方法が難しい車種もありますので、ケースバイケースです。アウディのリヤガラスモールの場合、3M社せいのリフティングテープ(10mm)が丁度良く、小画像内のように十分な隙間を開ける事が出来ます。これであれば奥の方まで下地処理(足付け処理)が十分に行え、塗装も奥まで入りこむので、車にとっては良い方法と考えての作業となります。ちなみに、実際には今回のような保険作業の場合、リヤガラスを外した方が会社的には儲かったりします(裏話的ですが…)。作業は外注依頼のガラス専門の方にお願いするので、弊社の手間には殆どならず、保険会社への請求は「定価」で、実際にガラス業者さんへのお支払いは定価分の60%〜70%だったりします(勿論この理由としては、定期的なお付き合いがあり、作業場所を提供している事も含みます)。ディーラー在勤時の時は有無を言わさずガラス脱着をしていたりもしましたが(私の判断ではありませんが…)、私的には修理で起り得るデメリット・リスク分は極力削りたい作業をしたく思っております。

ちなみに傷に対してサフェーサーが随分大きい面積となっておりますが、今回のようにベースコートを塗布出来る面積が大きい場合(連続したパネルの為)、傷部分を研磨した段差(フェザーエッジ)を極力緩やかにする為に範囲が大きくなっております。無意味に大きくしている訳ではありませんので、オーナー様ご安心下さい。

2006/06/14
 
jpg画像 AUDI A4 イタズラ傷修正(下地処理)(img188.jpg) -188- AUDI A4 イタズラ傷修正(下地処理)

大変お待たせしております。実は本日で殆どの作業が完成しております。気を揉ませてしまってすいません。

こちらの作業としては、今回傷を付けられた個所を削り落として、プライマー&サフェーサーを塗る工程になります。やはり深い個所も多く、鋼板まで達している個所も比較的多かったと思います。
傷が付いた個所の塗膜を削り落とす事により、塗膜分の厚み(新車時の厚みにしておおよそ120μ〜140μ)が足りなくなる訳ですが、これを補う為に「サフェーサー」が必要であり、その下にはウォッシュプライマーを塗布し、亜鉛メッキ層が無くなり鋼板が露出してしまった個所の防錆も補います。ちなみに、自動車塗装作業をする上での100μは相当な厚みになります。(1ミクロン=1000分の一ミリ)

2006/06/14
 
jpg画像 アウディA4 入庫(img187.jpg) -187- アウディA4 入庫

先日はご足労頂きありがとう御座いました。そしてこの度もご贔屓頂きありがとう御座います。
こちらは以前、都筑店の時にもお世話になりましたアウディで、今回は酷いイタズラ傷を付けられてしまい、そちらの修理のご依頼となります。相当鋭利な物で傷を付けられた感じで、明らかに刃物を携帯した通り魔的な犯行と思われます。このような行為を行う人間が居る事は非常に残念です。「全ての行いはいずれ自分に返って来る」と思いますので、いずれ犯人も同じ思いをするでしょう(私的見解で、さらにオカルト的な事は好きでは無いので余り言うことではありませんが…)

作業進行状況としては、今週始めに保険会社様よりアジャスター(調査員)の方が来られ、現車確認して頂き、先日作業開始致しました。現在、塗装パネルの付属品を取り外し、傷部の修正作業をしている所になります。
完成まで不都合お掛けいたしますが、何卒もう少々お待ちください。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 旧塗膜状態(img186.jpg) -186- アルファ スパイダー 旧塗膜状態

今回塗装以外にご依頼頂く、ボディ全面のポリッシュで、施工前の塗膜の状態になります。洗車傷や猫が幌に登る時に付いた傷で全体的に艶がありません。「艶が無い」と感じるのは光の反射率が悪くなっている為で、この反射率を悪くするのは、塗膜表面の平滑性が無くなっているからです。なのでこの傷を研磨して取り除くポリッシュ作業が必要となります。コーティングだけではどうにもなりません。

2006/06/08
 
jpg画像 テスタロッサ本塗り完了(img185.jpg) -185- テスタロッサ本塗り完了

サイドシェルの部分は「艶消し黒」なので、こちらはスタンドックス2Kエナメル(1コートソリッド)を艶消し仕様にして塗装します。塗った直後は通常の塗装と同じく「艶々」に仕上がりますが、乾燥するにつれて艶は段段無くなってきます。写真の状態では半艶程度まで艶が引いた感じです。
この「艶消し仕様」は色々な方法がありますが、今回の仕様としては

主剤・・・・・2Kエナメル黒 70%
艶消し剤・・・MIX606  30%
硬化剤・・・・上記合計に対して50%
シンナー・・・上記合計に対して 5%

となります。

上記艶消しの黒を塗布する前に、下側にはボディーシューツ(アンダーコート)を塗布しています。純正の状態がそうなので、勿論それを再現しています。

また完成した写真を撮り忘れたまま出庫してしまいましたが、今回も仕上がり喜んで頂けて何よりです。途中お友達のF40オーナーの方がいらっしゃいましたが、余りお世話させて頂く機会の無いように…です。
この度はありがとう御座いました。

2006/06/08
 
jpg画像 フェラーリテスタロッサ 板金完了(img184.jpg) -184- フェラーリテスタロッサ 板金完了

こちらは昨日出庫したテスタロッサですが、作業内容ご案内致します。こちらもリピーターの方で、最近は入庫のおよそ半数がリピーターの方で、これは作業者にとって非常にありがたい事であります(勿論新規の方も非常にありがたいです)。

今回のご依頼としては、サイドシェルを擦ってしまい、既存のパテが割れてしまっていました。以前の補修暦からして、サイドシェル全体にパテが入っている(塗られている)と思われますが、今回はこれを全て剥離する訳では無く(問題が起きている訳ではありませんので)、損傷部分のみの板金とします。
最初の見た目の損傷としては、そんなに広範囲ではないのですが、損傷時の衝撃により、その周りの部位のパテは密着性が落ちているケースが多いです。なので、それを確認しながら既存のパテを研磨除去し、問題が無いと判断出来る個所までそれは広がります。なので思ったよりも広範囲なパテ作業にはなります。
本来「旧塗膜」にパテは被せない作業が基本となりますが、今回のようなケースではパテの上にパテを被せたりもします。そうしないとラインは出せませんので…。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 艶消し黒塗装(img183.jpg) -183- アルファ スパイダー 艶消し黒塗装

ボディの赤が塗り終わり、強制乾燥完全硬化後にエンブレム周りの艶消し黒を塗ります。その前に勿論下地処理はしておきます。
バンパーの一部分ですが、この黒い部分によってボディ全体のイメージが引き締まります。
アルファのエンブレムも装着し、イタリアンなデザインの完成です。

ちなみに今回のスパイダーヴェローチェは初めて手を掛ける車種なのですが、バンパー分解は結構面倒でした…。バンパー内のサイドマーカーや、写真上のエンブレム一つ外す為に、裏側の付属部品全てを分解しないと外れないのです。初めて手掛ける車種は時間は掛かりますが、やはりそれは楽しい作業であり、勉強にもなるので好きな事でもあります。
先日、既に常連さんとなったレンジローバーボーグの方がいらっしゃいましたが、工場を見て「ここは色々な車種があって来る度に面白いですね」とおっしゃっておりましたが、確かに色々な車種を扱えるのはディーラー在籍時の時と違い、非常に楽しいです。この度のご依頼も非常に感謝しております。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 本塗り完了(img182.jpg) -182- アルファ スパイダー 本塗り完了

そして本塗り完了です。美しい塗膜が出来たと思います。

フロントバンパー先端の、アルファロメオエンブレムが付く個所は「半艶黒」になっているのですが、元々の塗膜の「際」部分が醜い状態だったので、この際の段差を研磨平滑にし、その部分も一緒に一旦塗装してしまいます。これにより「赤」の塗装によって、下地を作る事にもなります。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 本塗り前(img181.jpg) -181- アルファ スパイダー 本塗り前

フロントカウルパネルはボディより取り外した所、淵部分に錆が若干見られたのでこちらも処理します。劣化の酷かった部分の塗膜(部分的な塗装暦)も剥離し、結果全体的にサフェーサーの塗布となりました。ダクト部分の部位は特に損傷はありませんでしたが、色を合わせる為に「ボカシパネル」として、こちらも一枚塗ってしまう必要があります。

バンパーは傷は無かったのですが、端部分に1cm程度の亀裂があった為、こちらは研磨して掘り下げ、エポキシ接着剤の充填とエポキシパテでラインを作り処理します。この他ボディの一部分にも粉を拭いたような塗膜の劣化があったので、そちらも処理&塗装しています。「粉を吹いたような塗膜劣化」の原因の多くは、紫外線による塗膜の劣化です。紫外線は塗膜にとって脅威です…。
しかし自動車補修向けの塗料としての「アクリルウレタン」「ポリウレタン」「アクリルポリウレタン」の塗料は、それでも他の塗料(建築系塗料や焼付け型塗料(熱硬化型アクリル・メラミン塗料))に比べ、非常に耐候性は良い材料です。この自動車補修向けの塗料を自動車以外の物に使用すれば「自動車外装並みの高美観構造物」も出来るのですが、数十倍〜数百倍のコストも掛かるのでこれは余り現実的ではありません…。普段気にしないと考えたりもしないのですが、自動車ほど「高美観」「耐久性」「防錆」を求められる被塗物は、実は他に類を見ない事でもあったりします。結構気付き難い事なのですが…。

2006/06/08
 

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