管理用 ホーム

Pro_Fit Diary 【プロフィット日記2006】

ここではプロフィットで最近行った作業内容やお預かりしている被塗物を紹介させて頂きます。
作業進がそのまま掲載されるとは限りませんのでご了承下さい。

他にも以前のプロフィット日記をご覧になれます。

■プロフィット日記2005 …以前のプロフィットで、この頃は小物では無く「自動車板金塗装屋」でした。欧州車をメインに扱っていましたね。

■プロフィット日記2006 …こちらも以前のプロフィットの頃でここで一旦閉鎖となります。MINIのプチレストアもやりました。

■プロフィット日記2008 …プロフィットが「小物塗装」として再稼動し始めてからになります。まだ先が見えていない頃でした(笑)。

■プロフィット日記2009 …この年からは色々塗らせて頂きました。自動車部品以外のご依頼品が増えた年でもあります。

■プロフィット日記2010 …自動車パーツではテールランプの「スモーク塗装」が増えまして、メガネや自転車フレームなどのご依頼も増えた年でした。

■プロフィット日記2011 …テールランプの「レッドキャンディー+スモーク」が増えた年でした。自転車フレームも多いですね。

■プロフィット日記2012 …究極に忙しい夏でした。確か三ヶ月待ちの状態にまでなったかと・・・。

■プロフィット日記2013 …そして現在進行形のプロフィット日記です。相変わらず稚拙な文ですがご容赦下さい…。



■プロフィット旧社外記 …仕事とは関係ない個人的なブログのようなページです。2012年までがこちらとなります。

■プロフィット社外記 …現在進行中の社外記です。仕事とは関係の無い作業や趣味を紹介しています。フランクな言動にはご容赦下さい。


基本的に文章の見直しはしていません。乱文・誤字・脱字がひどいですがご辛抱下さい。スピードと量を優先しています。

ページ内での最新の情報は上段になります。下になると古くなり、「Next」のボタンを押すとさらに以前の情報をご覧頂けます。

Prev Next
jpg画像 Ferrari F355 結晶塗装ヘッドカバー装着(img85.jpg) -85- Ferrari F355 結晶塗装ヘッドカバー装着

こちらは以前ヘッドカバーのみ発送でのご依頼で結晶塗装を施した、フェラーリF355のヘッドカバー(装着済み)です。後日無事エンジンに装着したとのメールと画像頂きましたので掲載させて頂きます。その節は有難う御座いました。
車体色はオレンジだったんですね・・・初めて知りました。

現在のデータでは6年経ってスチーム掛けても剥がれるような報告はありません。アルミ素地には下地処理(リン酸エッチングorサンドブラスト処理)を施し、ウォッシュプライマーも塗布されているので、これらの点では新車時よりも長持ちする塗膜が出来ていると思います。
今後も末永く乗り続ける事応援しております。

2006/03/21
 
jpg画像 プロフィット イメージフラッシュ未完成品(廃棄予定)(img84.jpg) -84- プロフィット イメージフラッシュ未完成品(廃棄予定)

こちらは去年作成していたフラッシュ画像ですが、作成途中でイメージが変わってしまったので途中で手付かずになってしまいました。こちらです。ボリュームに気をつけて下さい・・・。途中の文章も読めないと思います・・・。イメージだけでも伝わればと思います。期間限定で公開致します。お粗末なものですいません・・・。

頭の中で全体の構想が大きく変わってしまったので、各部変更するよりも一から新たに作り直す事になると思います。半年掛けたのですが廃棄処分になると思います。

仕事が非常にアナログ的なので、趣味的にデジタル的な事をするのが結構好きです。次回は動画も組み込んで、より伝わり易い作品を作成したいと思います(当分先でしょうが・・・)

2006/03/19
 
jpg画像 ミニ マークU 室内本塗り前(img83.jpg) -83- ミニ マークU 室内本塗り前

ちょっと前の工程に戻りますが、先ほど説明した「半自動溶接」と「繋ぎ目のパテ」の部分がこの画像の赤丸の部分になります。床を貼り直す際に、この車体室内の横に通ったパネルも一旦切り取っているので繋ぎ直しました。犠牲車両から同じ部位を切り取った物を、少し小さめになるように折り曲げ直し(叩き直し)、車体に残っているパネルの内側にはめ込み、ここはスポット溶接をして「フランジ」状にします(隙間にはウォッシュプライマーを流し込みます)。そして切り取ったパネルをこのフランジ状になった箇所に被せるのですが、ここは恐らく車体の要になる部分だと思いますので(フレームとはちょっと違うと思うのですが…)、この箇所のみ半自動溶接を施し(反対側の端サイドシェルとの接合部も半自動溶接です)パテでラインを出しています。車体の「ネジレ」に重要な箇所なのでパネルボンドは控えました。
ちなみに白く塗られた物はエポキシ系浸透型プライマー「エスコ」です。

2006/03/17
 
jpg画像 ミニ マークU ボディーシューツ(アンダーコート)(img82.jpg) -82- ミニ マークU ボディーシューツ(アンダーコート)

今回このミニの旧塗膜を剥離する際に困難を極めた「アスファルトのようなボディーシューツ」が非常に嫌だったので、今回の修理では2液ウレタン製のボディーシューツ(3M社製)を使います。これは主剤と硬化剤がパッケージの中で混合出来るよう構造になっていて、専用ガンを使って吹き付けます。ノズルはパッケージに最初からセットされているので、作業前も後も手が汚れずに出来ます。しかし「肌」が思うように出来ないのと、コストが高過ぎるので余り使っていません。今回の修理には理想的だと思います。何より今後剥離する必要がある時、ペーパーに絡みつくような事がありません。

今回のこのミニの修理で何気なく気を使った事は、「次回作業する人がやり易いように」です。40年も経って未だ健在しようとする車両であれば、この先また大きな補修(レストア)が行われる可能性は高いと考えられます(勿論機会の無い様に今回修理しているのですが)。所謂「バランスシート」を超えた修理の可能性があるからです。
なので、次回(何年先だか解りませんが…)補修する人が困らないように、今回のボディーシューツのように色々と工夫して作業したりもしています。溶接箇所も半自動溶接は殆ど使用していません(半自動溶接の方がスポット溶接よりもガッチリ付きますが、外す際に困難です。反面スポット溶接は発見が楽です)。パネルのつなぎ目のパテやシーラーもインチキ臭い厚塗りはしていません。極力正直な修理を心掛けてみました(このミニに限る事ではありませんが…)。

自動車塗装に限る事ではありませんが、作業方法や使用材料はどんどん良い物が開発されて進化していく物だと思います。「アスファルトの様なボディーシューツ」もその時代のやり方では仕方の無かった事だとも思いますし(しかしプライマー層で足付けしていないのには時代に関係無く納得出来無い事なのですが…)。

ちなみに溶接技術も凄い進化をしているみたいです。プレリュードのオーナー様に教えて頂きました。→http://www.hitachi-hisec.co.jp/product/fsw.htm
”摩擦攪拌接合”なる凄い技術です…。いつかこの様な技術が特別なものでは無く、自動車補修に使われたりもするのかも知れません(と言うより、ゴルフ5のようなアウタパネルのみ交換の方が現実味がありますが…)。

2006/03/17
 
jpg画像 ミニ マークU 中塗り完了しております。(img81.jpg) -81- ミニ マークU 中塗り完了しております。

こちらも大変お待たせしております。

フロアー(床)パネル張り替えのミニですが、車内と下周りの本塗りは完了しております。リフトで上げ下げして一緒に塗りました。

当初の予定(ご依頼)では、張り替えた床の部分のみの塗装でしたが、「折角だから」との提案に許諾頂き有難う御座いました。ルーフライニング(屋根内張り)も外す予定ではなかったのですが、結局外しました…。
どんな作業でも、この「折角だから」は、これを言い出すとキリの無い話だと思います。「折角だからインパネも」「折角だからエンジンも」「折角だから足回りもミッションも」「どうせなら屋根を切って・・・」と、こんな感じになってしまいます。どの作業にしてもライン引きは難しいです。引かないと何も出来ないのですが…。

現在取り外している部品「ドア」「トランク」「ボンネット」を作業中です。なんとか来月中には完成させたいです(丁度半年くらいですね…)。

2006/03/17
 
jpg画像 プレリュード作業開始しております。(img80.jpg) -80- プレリュード作業開始しております。

先日は御足労頂き有難う御座いました。作業は既に進行しております。
こちらのプレリュードは、新車から14年乗り続けているとの事ですが、オーナー様の大のお気に入りとの事で、未だ凄い状態で健在です(細部までピカピカです)。とても14年経っているとは思えません…。ちなみにこちらは千葉からの御来店になります。

今週末にも千葉からアルファ147(エアロフルセット取り付け)の御来店入庫予定で、現在メールでの進行中のお話では愛知からもやってくるかも知れません。皆様御足労お掛けして申し訳御座いません…。

ちなみに当店に来られる方は、現在の工場に移ってからはご近所の方も前より(都筑店)は多くなりましたが(通りに面しているお陰ですね)、やはり近くの方は少ないです。都内では世田谷の方が多いですが、それでも近い訳ではありませんし…。ご贔屓有難う御座います。

今回のプレリュードは、どちらかと言うと「事故」では無く、前から気になっていた箇所の修復になります。修理箇所としては、「フロントバンパー」「フロントリップスポイラー」(カーボンファイバー)、「マッドフラップ」「リヤバンパーサイドスカート」になります。

ちなみに本日リップスポイラーの割れを修復しようとして重大な事が発覚しました。こちらのスポイラーは4回ほど塗られた形跡があるのですが、一番最初に塗ってあるガンメタ色がどうも自家塗装の「アクリルラッカー」の模様です。これはマズイです…。この上に通常のウレタン塗料(二液)が塗られているのですが、これはタブーな作業です…。良くチヂレなかったと思います・・・。
当然この上から塗る訳にはいきませんので、全て剥離致します。しかし当初から全部剥離する覚悟はしておりましたので問題ありませんが、問題としては「ペーパーが絡む」です。塗料がちょっとの摩擦熱で軟化してしまうので、ペーパー(研磨紙)が直ぐにダメになってしまいます(使い物にならなくなります)。少し想定外でしたが、仕上がりに関しては特に問題御座いませんので(全て取り除くので当たり前ですが)ご安心下さい。

完成までまだ時間掛かると思いますが、何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/17
 
jpg画像 アリスト完成(img79.jpg) -79- アリスト完成

大変お待たせ致しました。ついに完成です。
オーナー様には既に連絡済みで、明日名古屋から新幹線にて取りに来られる予定です(現在午前1時で大雨降っていますが…)。御足労お掛け致します(二重敬語で間違った使い方でしょうか…。勉強不足すいません)。

天候やご都合など、変更御座いましたら後日でも構いませんので無理なさらないで下さい(この日記が見れないかも知れませんが…)。

それでは明日、道中お気をつけて御来店下さい。

2006/03/17
 
jpg画像 ジャガーXKR 本塗り完了(しています)(img78.jpg) -78- ジャガーXKR 本塗り完了(しています)

こちらも大変お待たせしております。本日本塗り完了致しました。午後6時くらいで途中雨が降ってきましたが、使用しているエアーは湿気は強制的に除去しておりますので(エアードライヤー二機掛けです)仕上がりに問題は御座いません。ご安心下さい。

トランクトップの後部にリヤスポイラー(これもアーデン製だと思いますが)が付いていて、これが接着剤でついているようであれば外さずにトランク後部側面のみで済まそうと考えておりましたが(保険作業なので仕上がり優先で選択しています)、ボルト(3本)での固定だったので問題無く外せました。社外品の場合、時々接着剤が付いている事がありますが(外れて飛んでいく訳にはいかないので…)、この場合で外す際にはパネルがボコボコになってしまうケースがあります。隙間からカッターやピアノ線を入れて綺麗にカット出来れば良いのですが、結構大変です。今回のようにハイマウントストップランプも付いていれば配線も一緒に切れてしまいますし…。

先ほどのアウディーの箇所で説明もしましたが、昔のジャガーは磨き込んでの「テロッ」とした肌が特徴でしたが、現行型のジャガーXタイプやSタイプではそうではありません。しかしこちらのXKRは往年のツルツル感が強いです。現行XJもツルツル感が強いですが、それよりも磨き込んだ感じの肌です。生産台数的に製造ラインが違うのだとは思いますが、新車時でどのような工程になっているのか知りたいです。どなたかご存知の方が居れば是非ご教授下さい(ちなみにXKRは今回初めて触れますので…)。

ちなみに画像内赤丸の部分にはテストピース(鉄製)のプレートが貼ってあります。以前説明しましたが、これは当店の「塗装カルテ」なる、修理の際の作業内容を記録しているカルテに貼り付けして保存する物です(時々忘れてしまう時もあります…)。使用した材料や作業内容、作業環境や調色時に使った原色(データ以外の物など)、とにかく気付いた事を殴り書きしているので酷い字になってしまっていますが、最も役に立つのは再入庫時の「調色」作業です。今回のジャガーもデータ上ではホワイトパールのみ混入されていますが、実際にはレッドパールやグリーンパールが使われていると思われます(実際使いました。前のレンジもそうでしたが、英国車はこのパターンが多いです…)。

明日は乾燥硬化として一日手を触れない予定です。今週中の完成は難しいかも知れませんが、仕上がり予定が決まりましたら事前に連絡させて頂きます。仕上がりまでもう少々お待ち下さい。

2006/03/17
 
jpg画像 AUDI A4ワゴン 本塗り完了(しています)(img77.jpg) -77- AUDI A4ワゴン 本塗り完了(しています)

大変お待たせしております。昨日無事本塗り完了しております。綺麗に仕上がったと思います(例によって私の口からは仕上がりに関しては言い切れませんので・・・)。

バンパーは新品交換で、下地はプライマーが塗布された物です。外国車の場合これが一般的で、国産車のような色の付いた(塗装された状態の)「カラードバンパー」なる設定は通常ありません(本国ではあります)。これは恐らく在庫管理の理由からだと思います。
話はそれますが、ゴルフ5はドアアウターパネル(ドアの外板の鋼板パネル一枚を指します)がボルトで付いているそうで、ドアの凹みの場合はアウタパネルのみの交換で対応するそうです。昔はこれが普通の作業だったらしいのですが、最近ではドアパネル一枚交換が普通です。通常ドアアウターパネルは耳が内側に折り込まれているので、折り込んだ際に外板パネルが歪んでしまい、慣れていないと難しいそうです(私はやった事がありませんし…)。これをゴルフ5ではボルトのみでの固定で(確か8本と聞きましたが…)、相当簡単に脱着が可能になっているとの事です。既に色が塗られているカラード製品であれば、もう「自動車塗装屋」は必要ありません。いずれは無くなる職業ですね…(昔サターンが出た当時同じ話題になりましたが全然問題無かったですね…)。


アウディの肌(クリアーの新車肌)は私的には一番好きな肌で、最近の塗膜では相当良く出来た塗り肌だと思います。VW系のゴルフもこれに似ているのですが、車種によってバラつきがあるように感じます。その点アウディは安定しています(私的見解です)。

昔のジャガーのように単に肌が「ツルツル」しているのでは無く(現行型はちょっと違います)、キチンとラウンド(肌の凸凹)が規則的に並び、それでいて広く浅い形をしています。ジャガーの場合、新車時に相当のポリッシュを行われている(いた)との事で、あのようなツルツル感がある訳です(これがジャガーの「売り」でもあったと思うのですが)。アウディーは塗り肌でツルツルしています(表現が難しいです・・・)。

ちなみに今回のアウディーでは、オーナー様のご希望で「リヤバンパーの保護シール」を製作しております。リヤラゲッジスペースからの物品の出し入れでバンパー上部が傷だらけになるのを防ぐ為の保護シールです。良く見かける物ではアルミプレート製の物などありますが、今回はポルシェのクォーターパネルに張ってある耐摩擦性に優れた専用のクリアーシートで型から作成します。後日工程を紹介しますので是非楽しみにお待ち下さい(DIYでも十分出来る範囲だと思います。お悩みの方是非参考にしてみて下さい)。

2006/03/17
 
jpg画像 ジャガーXKR トランクリッド鈑金修正(img76.jpg) -76- ジャガーXKR トランクリッド鈑金修正

ジャガーXKRはトランクにも若干の凹み損傷があり、デントリペアで修理出来ればこちらで対応したかったのですが、袋状になっている箇所で工具が届かず、パテを使っての修理を選択しました。(画像右下がデントリペアのツールで、袋状になっている箇所にはこんな曲線のタイプを使用します)。いつもお世話になっているデントリペア屋さんにも相談したのですが、「穴開けるしかないですね」との事だったので、それであればとパテでの対応になりました。デメリットとメリットを考えた上での判断で御座います。何卒ご了承下さい。

錆色の塗料は「レッドブラウン」で、その上にパテ、そしてこの後ウォッシュプライマー塗布、プライマーサフェーサーを塗布します(しました)。
ちなみに画像内赤いラインの箇所についていた傷も結構深かったので、こちらもサフェーサー塗布で対応しています。

2006/03/17
 
jpg画像 ジャガーXKRバンパー本塗り直前(img75.jpg) -75- ジャガーXKRバンパー本塗り直前

損傷箇所以外にも小傷があったのでそちらも一緒に処理し、サフェーサー塗布範囲は多めになっております。

ちなみに最初の損傷の状態で、バンパーが押されてサイド側が膨らんだような状態になっておりましたが、これはバンパーが変形していた訳では無く、固定箇所からズレていただけでしたのでオーナー様ご安心下さい。先日オーナー様にもお話しましたが、FRPの特徴としては、「硬い」になるのですが、逆を言うと「柔軟性が無い」となります。通常のプラスチック製バンパーの素材はポリプロピレンやポリウレタンの化合物で、柔軟性があるので押しても元に戻ったりしますが(ある一定を超えると変形が直らなくなります)、FRPの場合は割れます。これが厄介な所です・・・。

このアーデン製のバンパーの場合、純正のリーンホースメント(バンパーを固定する「骨」に当たる部品。このジャガーはプラスチック製です)を利用しており、ボディと固定される要の箇所はたった4箇所で(FRP社外部品の場合これが普通です…)、固定されていない箇所がズレてしまったのでバンパーのサイドが膨らんだような状態になってしまっていたのです(解り難い説明ですいません)。

既に何回もボディに仮組み仮合わせを行っているので、塗り終わってからはスムーズに付くようになっております。完成まではもう少し掛かりますが何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/16
 
jpg画像 ジャガーXKR ARDENリヤバンパー割れ修理(FRP)(img74.jpg) -74- ジャガーXKR ARDENリヤバンパー割れ修理(FRP)

大変お待たせ致しました。実は先ほど本塗り完了しております。アウディA4も先日無事塗り終わっております。いきなり進行が進んでしまってすいません。

なので途中作業の紹介になります。

今回のジャガーXKRは、駐車中に後部を当逃げされてしまい、リヤバンパーとトランクリッドに損傷を受けました。トランクは少々の凹みなのですが、リヤバンパーはヒビが入り、バンパーサイドは若干ズレ落ちてしまっていた状態です。故意では無いにしても酷い行為です…。

FRPパーツの修理方法として、「亀裂」はやっかいです。ゲルコート(ファイバー繊維の上に塗られているポリエステル系の塗料。余り好きではありません…)のみの損傷であれば削り落とすだけで済みますが、今回のように繊維が破壊されて(割れて)しまった場合、その上からパテを塗るだけでは後にまた割れが出てしまいます。しかし上からファイバーを貼り付けてしまうと正規のラインよりも高くなってしまいます。なので今回のような「割れ」の修理方法としては、割れた部分を切り取ってしまいます。画像にあるように損傷を受けた部分を切り取って穴を開けてしまいます(背景が汚くてすいません…)。
そして穴の箇所をテーパー状に研磨し緩やかな傾斜を形成します。
そして表からガムテープを貼り、裏からファイバーマットとポリエステル樹脂(透明)を貼り付けます(強度を持たせる為2枚)。素材は新品時と同じ物を使用しているので見た目も解らなくなります。

そして裏が硬化したら表のガムテープを剥がし、その部分を研磨足付けして、穴の大きさより若干大きめにファイバーマットを再度貼り付けます。合計3枚になります。

表が硬化したらあとはパテの処理と変わりません。その後ラインを形成する為にパテを塗布し研磨します。通常の鈑金作業と変わりありません。

2006/03/16
 
jpg画像 アウディA4 アンダーカラー塗布(img73.jpg) -73- アウディA4 アンダーカラー塗布

そしてアンダーカラー塗布の仕上がりがこちらになります。一見して損傷を受けた箇所も凸凹した仕上がりでは無いので、万一誰かに見られても修理した事は解り難いと思います(私が言い切れる事ではありませんので…)。

表側は無事サフェーサーの塗布まで完了しておりますので、ここで「寝かし」に入り、来週早々にクォーターガラスの取り外し、そして半ばには本塗り予定となっております。仕上がり楽しみにお待ち下さい。

2006/03/12
 
jpg画像 アウディA4 アンダーカラー作成(img72.jpg) -72- アウディA4 アンダーカラー作成

先ほどウォッシュプライマーを塗布したクォーターパネル裏側の、「新車時のプライマー」の塗色に合わせた色を作成します。
厳密な調色では無いので、簡単に、ブラック・オーカー・レッドオキサイド・ホワイトの四色で目調色で作成します。

通常全く目に付かない箇所なので、この箇所であればウォッシュプライマー塗りっぱなしでも問題無いのですが、オーナー様にとっては見えない箇所も相当気になると思いますので、その意向を保険屋さんに伝え、費用は保険屋さんに負担して頂く事とさせて頂きます。

今回、リヤバンパーの損傷的にも、保険屋さんの解釈であれば「修正」での修理方法が選択されるのですが、オーナー様の強いご要望により「交換」が認められました。通常、先日日記にも掲載されたマラネロのように「対物100%保険」であればある程度のわがままが通用するのですが(決してわがままではありませんね。失礼致しました)、今回の保険屋さんの対応には私も少し驚いております。オーナー様の努力が実った結果となると思います。お疲れ様でした。

なので画像にある「新車時のプライマー処理の再現」も保険屋さんに費用を認めて頂こう、との判断であります。ちなみに金額にして¥4、000くらいでしょうか…。

2006/03/12
 
jpg画像 アウディA4 サイレンサーパッド(img71.jpg) -71- アウディA4 サイレンサーパッド

これがその「サイレンサーパッド」になります。いかにも燃えそうな素材です・・・。
最近の車には比較的多く使用されていますが、メーカーももう少し難燃性とか考えてくれれば良いのですが・・・。

2006/03/12
 
jpg画像 AUDI A4 鈑金箇所パネル裏処理(img70.jpg) -70- AUDI A4 鈑金箇所パネル裏処理

鈑金(叩き)を行った右クォーターパネルの裏側の処理を行います。スタッドの使用による「焼け」と、裏当ての「ドリー」が擦れた為、旧塗膜(ここは新車時よりプライマーのみ塗布)の部分的に鋼板が露出している為、いつも通り防錆処理を行います。

黄色い箇所がウォッシュプライマーを塗布した箇所で、その場所に「サイレンサーパッド」なるスポンジ状の防振材が貼ってありました。
もしこれをそのまま表からスタッド溶接などの火を使う作業をすると、このサイレンサーパッドは燃えます。燃えないまでも焦げたりして、車内に焦げ臭い匂いが残ります。聞いた話では、焦げて火が燻っている状態で、ドアを開けた瞬間酸素が入りこんで車体が燃えてしまうなんて事もあるそうです。あり得ない事です(あってはならない事です)…。

四角くマスキングしてある箇所は、ちょっとゴムっぽい防振シートで、これは剥がす必要が無いので(剥がすとボロボロになってしまいます)そのままにしていますが、ここは手を付けて(叩いて)いない箇所なのでマスキングで行っております。

2006/03/12
 
jpg画像 ミニ マークU 下周り塗装準備(img69.jpg) -69- ミニ マークU 下周り塗装準備

今回は下回りも全て塗装する必要がある為(下周りの旧塗膜も殆ど剥離した為)、リフトで持ち上げた状態での塗装となります。

ブース内での塗装では無いのですが、このスペースのみ両側に防炎シートが張り巡らされるので、床にビニールを敷き、低圧ガンの使用であれば周りに塗料飛散も無く塗装作業が遂行出来ます(作業者にとっては酷なのですが・・・)。

また時間見つけて床の張替え、サイドシェルの移植など紹介したいと思います。楽しみにお待ち下さい。

2006/03/12
 
jpg画像 アリスト本塗り完了直後(img68.jpg) -68- アリスト本塗り完了直後

そして本塗りが完了した時点です。

先日掲載した通り、左のフロントフェンダー(補修暦無し)への「ボカシ作業」を行いましたが、フェンダー内にベースコートが塗布されているのはトップ部のみ(幅5センチ程の箇所)になります。クリアーは勿論パネル一枚塗布しております。付属部品も勿論取り外し済みです。

新車塗膜が染まっていない(隠蔽していない)以上、側面の色違いが起きないように、ボンネットを塗っている時のベースコートがフェンダーに飛ばないよう、最初はフェンダー全てをマスキングをした状態でボンネットのみベースコート塗装を完了しました。
この方法は隣接パネルの肌を荒らさない為に良く行われる手法なのですが、私的には本当は余り好きではありません(と言うより日常全くやりません)。現在メインで使っているスタンドックス(デュポンの使用頻度は非常に低いのです)では、ベースコートの肌荒れが非常に少ない仕上がりが可能です。なので塗装作業中にマスキングをする事によって生じる「ホコリの発生」のデメリットは発生しません。本塗り時は極力ストレス無く行動する事を第一に考えておりますが、今回は他に重点をおかなくてはなりませんでしたのでフェンダーをマスキングする必要がありましたが、仕上がりは問題無く出来たと思います。

2006/03/12
 
jpg画像 アリスト ボンネット下地処理(img67.jpg) -67- アリスト ボンネット下地処理

こちらも掲載大変お待たせ致しました。実は既に塗り終わっております。名古屋からご来店のアリストになります。

ボンネットの肌の違和感の原因が解りました。単に「塗り肌」が悪かっただけで無く、クリアーの塗り過ぎによる「大きなうねり」までもが生じておりました。恐らく塗られたのは一回では無いと思われます。私的見解としては、「悪い肌の上に悪い肌を塗り重ねた」のでは無いでしょうか・・・。

今回の様な「ひどい肌荒れ」の場合、下地処理として現状の肌を平滑にしなければなりません。通常の肌であれば手研ぎか、或いはゴム製の当て板をあてて研磨しますが、ここまで酷い場合は「砥石」を使って素地調整をする必要があります。所謂「ミラーフィニッシュ」の状態です。肌が一切無く、鏡の様な表面にします。アメ車のカスタムカーなどで良く使われる手法です。

画像黒丸の部分が、砥石(#800)を当てて研磨し始めの状態で、平滑な砥石を使って研ぐと、このように「まだら」な状態になるのは素地が「凸凹」している為です。肌だけで無く「ライン」そのものが崩れてしまっています…。それを研磨していくと画像白丸の状態になりますが、ここはきつい#800のペーパー目が生じているので、この後手研ぎで#800→#1000→#1200と深い傷を消していきます。同業者の方であれば解ると思いますが、シルバー塗色で「砥石」などを使うリスクは相当なものがあると思います。

無事ボンネットはサフェーサーの塗布を必要としない下地処理が出来ましたが、ボンネット一枚の肌調整でおよそ5時間は費やしました。お陰で良い塗り肌(新車肌)が再現出来たと思います。楽しみにお待ち下さい。

2006/03/12
 
jpg画像 フィアットバルケッタ  本塗り完了直後(img66.jpg) -66- フィアットバルケッタ  本塗り完了直後

本塗りが無事完了した時点での画像です。比較的「テロテロ感」の強い新車肌でしたので、それに合わせて大きめのラウンド(テロテロした肌)に仕上げました。綺麗に出来たと思います。

問題だったのは「色」(ベースコート)で、以前の補修時での調色作業は行わなかったのか、フェンダー前方と後方では全然色が違いました・・・。フェンダー後方がボディ全体の塗色(新車時の色)に合っていたので勿論そちらに合わせ、そちらの問題も解消された事と思います。

仕上がり楽しみにお待ち下さい。また無事仕事を終わらせてのご帰国お待ちしております(特に急かしている訳では御座いませんので)。

2006/03/12
 
jpg画像 フィアットバルケッタ  ウォッシュプライマー塗布状態(img65.jpg) -65- フィアットバルケッタ  ウォッシュプライマー塗布状態

こちらも掲載が遅れて申し訳御座いませんでした。既に全ての作業完了しております。まだオーナー様は日本に帰国されるのは先ですが、仕上がり楽しみにお待ち下さい。

こちらのバルケッタ、バンパーとフロントパネルのラインが相当ずれていたので(フロントパネルの鋼板が足りなかったです)、鈑金作業、パテ作業共にバンパーを付けては外してパネルを修正、これを数十回繰り返してようやくプライマー&サフェーサー塗布に至りました。

実は先日、保険屋さん(アジャスターさん)が再度車両を見に来まして、「叩いて直したの?綺麗に直りましたね。大変だったでしょ…」と一応お褒めのお言葉頂きましたが、フロントパネルの形状上、裏側作業(ドリー)の自由度が高かったので作業はし易かったのです。

2006/03/12
 
jpg画像 ジャガーXKR 入庫(img64.jpg) -64- ジャガーXKR 入庫

こちらも既に入庫しておりましたが、掲載遅れておりました。先日は御足労頂き有難う御座いました。

今回はリヤ部を当て逃げされ、ARDEN製FRPバンパーに亀裂が入ってしまいました…。修理方法としては、バンパー交換も検討したのですが(こちらも保険作業なのでとにかく仕上がり優先で)、現在国内在庫無く、また(新品)FRP製品の出来具合も定かでは無いので修理する方法で進行しております(既にオーナー様了解の上です)。

去年よりご連絡頂いておりましたアルファ147オーナー様のエアロ部品一式が先日届き、本日オーナー様にわざわざ御来店頂き部品確認して頂いたのですが、やはり(新品)FRP製品の出来の悪さに驚いておりました。金型を使用しないFRP製品では、どうしても出来具合は余り良く無いのが普通だとも思いますし、私的にはFRP製品は「未完成なもの」的な感じが強いです…(しかしNISMO製や無限製は結構良いです)。

しかしFRP製品のその素材の特徴として、大きな修正でも比較的新品状態と同じような作業方法で修復出来る事が良い点です。交換では無く、修正によってデメリットよりもメリットが上回るような仕上がりになるよう努力致しますので完成まで何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/12
 
jpg画像 アウディA4 パテ作業完了(img63.jpg) -63- アウディA4 パテ作業完了

極力「火」(スタッド)は使いたくありませんでしたが(オーナー様の希望でもあります)、既に鋼板(恐らく高張力鋼板)が相当伸びていたため、どうしても「絞り」の作業が必要になり、十数か所のみ火を使いました。いつも通り裏の防錆処理も行いましたのでご安心下さい。またパテも薄く済んだと思いますので(実際どれ位なのかは計る事が出来ません…)ご心配も解消出来た事と思います。

裏の処理は後に説明致します。

2006/03/12
 
jpg画像 アウディA4 鈑金(叩き)完了(img62.jpg) -62- アウディA4 鈑金(叩き)完了

サーバー障害もようやく復旧したようで(現在AM4:12・・・)、無事日記掲載となります。大変お待たせ致しました。現在の進行状況としてはサフェーサー塗布まで完了しております。

一度レッドブラウンを塗布後、研磨しては叩いての作業を繰り返しているうちに最初に塗ったレッドブラウンが殆ど無くなってしまったので再度レッドブラウンの塗布になります(画像矢印の箇所のみ残り)。画像はその直前の状態です。
こちらのアウディは購入されてからまだ1000キロ程しか走行しておらず、今回の事故では車両のみならず、オーナー様の心中も相当の痛みの模様で、今回の修理に関しても色々とお悩みになった事と伺っております。そんな中で当店を選んで頂けた事は非常に有難い事で、それに応えるべく、仕上がり喜んで頂ける様努力致しますので何卒完成まで今しばらくお待ち下さい。


2006/03/12
 
jpg画像 ミニ マークU 運転席貼り付け用フロアパネル(img61.jpg) -61- ミニ マークU 運転席貼り付け用フロアパネル

先ほどのフロアパネルを研磨し終わった状態です。貼り付けてからフロアー全体を纏めてエポキシ系プライマーで塗布するのですが、このままの状態では直ぐに酸化(錆の発生)してしまうので、この時点では軽くウォッシュプライマーを塗布しておきます。たった一日開いただけだとしても、この作業を行うのと行わないのでは今後相当差が出てくると思います。それくらい「錆」の発生は早いのです…。

ちなみに先日、助手席側のフロアーを貼り付けた際の工法として3M社の「パネルボンディング工法」と説明しましたが、スポット溶接を併用した作業は「ウェルドボンディング工法」とした正式な名称がありました。サイドシェル(ロッカーパネル)やコアサポート(フロントパネル)のような「構造部位」の場合はこちらを必ず行う事と説明しております。
またいつもお世話になっているオートサプライヤーさん(塗料屋さん)が3M社から聞いた話では、パネルボンドが硬化する前であればその箇所でもスポット溶接可能との事です。わざわざスポット溶接部を避ける必要が無いとの事です。これは非常に良い事を聞きました。さらに理想に近くなります。


もうそろそろ日が昇る時間です…。犠牲車から切り取ったフロアーパネルも、以前下周りを擦ってしまったようで結構ボコボコだったのですが、研磨しては叩いているうちに楽しくなってしまいあっという間に夜中(2時)になってしまいました…。
なんとか運転席側のフロアーパネルを貼る準備として、プライマー処理まで進めたかったので長くなってしまいましたが、ついに来週にはフロアーが貼り付け出来そうです。しかしまだサイドシェルが残っていますし、タイヤハウスの穴も塞がなくては…です。

しかしリフトがあって本当に助かりました。このミニを修理するにあたって購入(リースです…)したのですが、非常に役立っています。フロアーを上から貼って、直ぐに下からの作業に移れるので作業性が非常に良いです。
このミニがリフトから降りたら「MOTUL」のオイル交換受付のサイトを公開したいと思っております(未だ作成もしていませんが…)。
ちなみに「プロフィットイメージ」のフラッシュ動画も新たに作成していたりします。既に一年以上前から作っているのですが、途中で止まってしまっています。まだ半分くらいしか出来ていませんが、こちらは後日期間限定で紹介してみたいと思います。是非楽しみにお待ち下さい。

本日もお疲れ様でした(現在5:47です…)。

2006/03/05
 
jpg画像 ミニ マークU 貼り付け用運転席フロアパネル(img60.jpg) -60- ミニ マークU 貼り付け用運転席フロアパネル

こちらは犠牲車両から切り取ったフロアーパネルになりますが、やはり10年以上走ってきた車の部品なのでそのまま付ける訳には行きません。表裏共に下地処理が必要です。

ちなみに下周りについているアンダーコートとして、油っぽいものが塗られていますが、これが結構邪魔だったりします。このままサンダー掛けしてもペーパー(研磨紙)に絡んでしまう(こびり付いてしまう)ので、先に綺麗に除去しなければなりません。

この方法として、市販のプロパンガスのバーナーは使い勝手が良く気に入っています。ホームセンターで普通に買った物ですが、アセチレンガスの場合よりもかなり低温なので(それでも相当熱いですが…)、自家塗装でも十分活用出来ると思います。
軽くアンダーコート部を炙ってあげると、柔らかくなって簡単に剥がれ易い状態になってくれるので、スクレーパーで簡単に取り除けます。残ったカスはシリコンオフで綺麗に取り除き、この後塗膜と軽い錆はサンダーで削り落とします。

ちなみに「皮手袋」は板金作業の必需品です。安全面ではもちろん、作業者の攻撃力(作業効率)が飛躍的に向上します。「痛くない」「怪我しない」となれば思い切った作業が可能となります。軍手に比べて数倍効果があり、長持ちもするので、自家塗装でも是非用意しておく事をお勧めいたします。

2006/03/05
 
jpg画像 ミニ マークU 下周り塗膜剥離 パート2(img59.jpg) -59- ミニ マークU 下周り塗膜剥離 パート2

数時間後にはこんな状態になります。腕は相当辛いと思います。本当にお疲れ様です…。

まだまだ剥離作業は続きますが、この後の作業としては、下周りにもエポキシ系浸透型プライマーを使用し、アンダーコートとして2液ウレタンのボディーシューツ(3M)を塗布し、トップコート(グリーン)を塗布する予定です。下周りも相当強固な状態になるのではないでしょうか…。これでボディほぼ全面エポキシ系プライマーでの下地が完成します。早く完成したいですが、まだフロアー(床)貼り終わっていません…。

2006/03/05
 
jpg画像 ミニ マークU 下周り塗膜剥離(img58.jpg) -58- ミニ マークU 下周り塗膜剥離

ミニマークUの下周りにもアスファルトの様なアンダーコートが塗布されていたのですが、これの密着性も非常に悪いので剥がす必要があります。

最初はスクレーパーである程度を削り落とし、その後サンダーなど数種類の工具を使って地道に塗膜を剥がします。作業者はコミキで、本日一日これに費やしました。お疲れ様です。

リフトのお陰で車体の下に潜ってやる事は無いのですが、どちらにしても大変な作業です。腕が疲れます…。上から色々降って来ます…。なので「ゴーグル」「マスク」の着用と、さらに使い古しの「タイベック」(塗装用静電防止スーツ)を着込んでます。本当にこれくらいやらないと相当辛い作業です。

2006/03/05
 
jpg画像 BMW M POWER ヘッドカバー 旧塗膜剥離(img57.jpg) -57- BMW M POWER ヘッドカバー 旧塗膜剥離

剥離剤の使用により、旧塗膜を剥がし終わった状態です。この後「メタルコンディショナー」によるリン酸処理をしてアルミ表面の素地調整とします。そして素早くプライマーを塗布し、結晶塗装を行います。

完成画像も掲載しますので楽しみにお待ちください。

2006/03/05
 
jpg画像 BMW M POWER ヘッドカバー結晶塗装(img56.jpg) -56- BMW M POWER ヘッドカバー結晶塗装

こちらも大変お待たせ致しました。先日はご足労頂き有難う御座いました。

実は本日塗りあがってます。来週早々には文字部とフィンの箇所を研磨してクリアーを塗って完了になります。

ちなみに正確には「ヘッドカバー」(タペットカバー)では無く、その上に付いた「プラグカバー」になります。アルファロメオと同じような感じです。

元々の状態としては、素地が凸凹で結晶塗装っぽいですが、実は単に「黒」が塗ってあっただけでした。サイドのフィンの部分も黒に塗られていますが、今回はその箇所も金属素地の鏡面状仕上げにカスタムします(オーナー様のご要望です)。

仕上がり格好良くなると思います。是非楽しみにお待ち下さい。

2006/03/05
 
jpg画像 アリスト調色作業(img55.jpg) -55- アリスト調色作業

地元名古屋で修復されたのは右側面(フロントフェンダー&ドア2枚とリヤフェンダー)とボンネットとの事ですが、右側面とボンネットは違う時期に塗られたとの事で、その箇所も色が違います。画像の左側面は新車時の塗膜(色)ですが、ボンネットと明らかに違います。実際はボンネットとフェンダーとのパネルではある程度角度が付いているので違う色に見えてしまうのは仕方無いのですが、ちょっと酷いです…。

しかし本日調色をしてみてある程度理由も解りました。新車塗膜が全然染まっていない(隠蔽していない)のです…。写真に撮ってみると解り難くなってしまったのですが、シルバーが染まっていないので、その下のアンダーカラー(恐らくグレー)が透けて見えてしまい、「スカシが黒い」「ムラが酷い」となってしまっています。最近良く見られる状態ですが、こちらは結構露骨に表れてしまっています…。

同じ状態に再現するとなると、下色(アンダーカラー)のグレーを作成し、それを塗ってから調色したシルバーを塗る「3コートシルバーメタリック」か「キャンディーシルバーメタリック」なる手法を使わなければならないのですが、現実的に難しいです…。

なので、オーナー様の許可を頂き左のフロントフェンダーをボカシとして塗らせて頂く事になりました。色的には右側面(正確には右フロントフェンダーのトップ部)に合わせて調色し、ボンネットはベースコート一枚、左のフロントフェンダーはトップ部のみベースコートをボカし、パネル一枚クリアーを塗ります。ベースコートはプレスラインでボカすのである程度色が違っても解らない仕上がりに出来ると思います(左右でフェンダーが全然色が違うのです・・・)。
セオリーであれば左の新車時の塗色に合わせて色を作らなければいけないのですが、前記した通り、理由が理由なのでこの処置が正しいと考えます。

季節的に日の沈む時間が遅くなったので、その分調色出来る時間も増えました。これは喜ばしい事です。しかしそれでも間に合わず、来週に持ち越しです。
不都合お掛けしますが何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/05
 
jpg画像 アウディA4 作業状況(img54.jpg) -54- アウディA4 作業状況

お待たせしております。アウディは板金が20%完了した状態です。状況的には「レッドブラウン」が塗布された状態ですが、まだハンマリング作業は続きます。

昔の板金のやり方で、「ラッカーパテ」をシンナーで希釈して、スプレーガンで塗る「スプレーラッカーパテ」なる方法があったのを聞いた事があります(職業訓練校の時に学んだ筈なのですが・・・)。板金している箇所にスプレーガンでラッカーパテを塗っては金ヤスリで削り、また叩いて塗って削りを繰り返して平滑に近づけていくのですが、それと少し似たような感じで、この後あて板で研磨する事によって低い箇所と高い箇所が解り易いのでレッドブラウンを使ってみました。レッドブラウンであれば研ぎ残ったとしてもその上からパテも塗れるので問題ありません(ウォッシュプライマーの場合パテの下に塗れません)。
この後まだ板金(叩き)作業をし、パテの前の段階でまたレッドブラウンを塗布しますのでご安心下さい。

まだまだ叩き作業で時間掛かりそうですが、何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/05
 
jpg画像 ミニ マークU 運転席フロアパネル 切り取り(img53.jpg) -53- ミニ マークU 運転席フロアパネル 切り取り

フロア(床)を大きく切り取る前の状態です。どこから切り取るか悩んでいた時に「とりあえずは開いてみよう」と思って張り合わせてあるパネルを切り開いた状態です。アルミリベットのみで取り付け、貼り付けパネルの淵はアスファルトの様なシーラーで蓋がしてあるだけの処理で、内側は旧塗膜までもが残っている状態なので錆も残っていたと思われます。日々足元で錆が進行し続け、結果穴が開いてしまった模様です。

パネルボンディング工法の良い点としては、溶接部の代わりに接着剤を使う為それがシーラーの役目も担います。合わせ目パネルの錆を落とし、重なる内側には全て接着剤が付けば「水分」「酸素」の入る隙間は無くなり、「錆」の発生なる要因が非常に低く抑えられます(自分でデータ取っている訳では無いので完全とは言い切れません。しかし理想の方法ではあると思います)。

物理的に錆を除去するのは自家塗装では非常に大変な事ですが、パネルを張り合わせる際にその内側には何もしないよりは「エスコ」の様な浸透型エポキシプライマーを塗っておくだけでもその後の状態は大きく変わると考えられます。パネルボンドの様な材料などとの併用でも是非ご活用下さい。

2006/03/03
 
jpg画像 ミニ マークU 運転席フロアパネル 切り取り(img52.jpg) -52- ミニ マークU 運転席フロアパネル 切り取り

助手席側もまだまだ完了はしないのですが、とりあえずフロアーが付いてボディ剛性が確保出来たので、未だ良く解らなかった運転席側のフロア(床)を切り取る作業を行います。開いて見た結果、助手席側同様酷い状態です…。

画像の錆の酷い箇所は「サイドシェル」(サイドステップ)の内側部分で、通常見える箇所ではありません。しかし酷いです…。
既に以前この箇所も補修したにも関わらず、どうしてこうなってしまったかと言うと、錆びて穴の開いたパネルのその上から貼り付けただけだったからだと思います…。完成した時の見た目は、確かに中身の解らない綺麗な仕上がりだったと思われますが、穴の開いた箇所はまた同じ様に穴が開いてしまいます…。直した甲斐が無くなってしまいます…。
かと言ってうちも理想通りの作業が出来る訳でもありません。全ての錆を落としたくなったらパネルどころかフレームも残りませんし…。なのでバランスシートを考えた上で良い材料・工法を選んで作業を進めます。せめてもう穴は開かないように…です。

ちなみに錆びているサイドシェル部も上一枚を残して下側はバッサリと切り落とします。犠牲車両からはフロアーとサイドシェルを纏めて切り取ってあるので、それをさらに分割して(スポット溶接部を剥がします)新たに貼り付けます。袋状になったサイドシェル部は3分割になるので全て裏側の処理も可能となります。実際犠牲車両から取ったサイドシェルも裏側には既に錆が出ているので、切り取った物をその形のままくっつけたりする事が出来ないのです。これが手間と時間が掛かる理由です…。

また、一気に全てを切り取ってしまうとボディが捩れてしまいます。短くなったり左右の長さが変わるのです…。なので順番的には、「フロア」→「サイドシェル」→「フロントインナーフェンダー」と、各パネルを切っては付けてを一つずつ行います。

2006/03/03
 
jpg画像 ミニ マークU 助手席フロアパネル 貼り付け(img51.jpg) -51- ミニ マークU 助手席フロアパネル 貼り付け

既に貼り付けは完了しているのですが、良い画像が撮れなかったのでパネルボンディング工法の説明を簡単にします。

貼り付けるパネル全てを接着剤でも問題無い強度が得られると思うのですが、一応メーカー(3M)より「何箇所か溶接して下さい」との旨言われているので、およそ12箇所程をスポット溶接で行います。スポット溶接とは、数枚合わせた鋼板パネルの表裏から強い電気を流して金属を溶かし合って付ける溶接です。新車時の溶接はこれが殆どです。補修時となると、既に組み合わさったパネルがあるのでどうしてもスポット溶接が出来ない箇所が出てきます。その場合に半自動溶接(ノズルから自動的に出てくるワイヤーとボディアースとの電気で溶接する方法)やロウ付け(溶棒をアセチレンガスやバーナーで熱して溶かす溶接方法)を行ったりします。

スポット溶接を行う箇所にパネルボンド(3M構造用エポキシ接着剤)が付いてしまうと電気が流れずに溶接出来なくなるので、事前に溶接する箇所を図にして段取りを行います。

またこの際のスポット溶接は、接着剤が固まる前に行わないとパネルがしっかり合わさってくれないので、「接着」→「溶接」をすばやくセットで行わなければなりません。

画像内にある、ボディにぶら下がった黒い棒がスポット溶接機のアーム部になります。奥の方まで届かせる為の形状になったアームで、使用部により色々と使い分けます。画像にはありませんが、電気を制御する本体は、結構大きくて非常に重いです…。

今回のミニは、運転席側・助手席側ともに床には既に補修暦があります。一度穴が開いた箇所を直してはあるのですが、その再発が非常に酷い状態です…。なので結構大袈裟な大きさでのパネル張り付けとなります。後に運転席側の酷い状態も掲載しますので、自家塗装でレストアをされている方々、是非参考にしてみて下さい。(ちなみにうちがやっているこの作業はレストアではありません。定義的な見解ですが…)

とにかく今後二度と穴の開かない仕上がりになるよう努力しております。何卒もう少々お待ち下さい。

2006/03/03
 
jpg画像 ミニ マークU 助手席フロアパネル 取り付け準備(img50.jpg) -50- ミニ マークU 助手席フロアパネル 取り付け準備

こちらも大変お待たせしております。

本日ようやく助手席側のフロアー(床)のパネルが付きました。入庫してから4ヶ月くらいでしょうか…。

工場床に置いてあるパネルが、犠牲となった他車から切り取ったフロアパネルで、表面(おもてめん)は下地処理が完了しております。浸透型エポキシサフェーサー仕上げです。裏側は塗膜を全て剥がして、軽くウォッシュプライマーが塗られている程度です。

ボディ側のフロアー部は既に切り取った箇所を成型してあり、この穴より一回り大きい感じで、新たに錆の無い健康なパネルを取り付けます。「一回り大きい」と言っても単に大きい訳では無く、パネルが重なる箇所の要点を押さえなければなりません。強度保持はもちろん、美しく仕上がる為に何度もパネルを合わせては叩き、切ってを繰り返します。

そして最終的に溶接箇所や接着箇所(エポキシ系接着剤によるパネルボンディング工法)の準備をします。

2006/03/03
 
jpg画像 アリスト入庫(img49.jpg) -49- アリスト入庫

先日は遠方よりの御来店有難う御座いました。今回のオーナー様は名古屋からのお越しです。
遠方からのご依頼なので、半年くらい前に一度お断りしたのですが(問題があった時にご迷惑お掛けしてしまいます)、今回ついに入庫となりました。以前御来店頂いた京都からの次に遠い所からです。感服致します・・・。

ボンネットはオーナー様の地元で既に塗装補修されているのですが、どうにも色違いと肌が良く無いとの事です。確かに違和感が非常に強く感じられます・・・。

まだ作業開始しておりませんが、進行しましたらまた掲載させて頂きます。
明日天気良ければまずは調色作業から始めたいと思います。完成まで不都合お掛け致しますが何卒ご容赦下さい。

2006/03/03
 
jpg画像 AUDI A4 入庫(img48.jpg) -48- AUDI A4 入庫

先日は御来店有難う御座いました。既に作業は開始しております。

損傷としては右クォーターパネル(リヤフェンダー)下部に歪んだ凹みと、リヤバンパーも損傷しております。

現在約30%板金が進んでいる状態です。リヤラゲッジルーム内のトリム(内装)を取り外し、リヤバンパーも外しておりますが、この後板金途中の段階で途中何回かリヤバンパーを取り付けてチリ具合(パネル間の隙間)をチェックしながら仕上げていきます。

通常、板金(叩き)はいきなり塗膜を剥がしたりはしません。塗膜が残っていた方がパネルの歪み具合は解り易いので、ある程度粗出しが完了してから機械研磨にて削り落とします。

損傷部は裏からある程度手が入るのですが、もう一枚被さるように内板パネルがあるので、ハンマリング(ドリーとハンマーを使っての叩き)は少し制限される箇所があります。極力火は使わない様にしますが(熱が掛かるスタッド溶接・ワッシャー溶植などです)、使った場合でも裏側の処理(防錆)は可能なので、オーナー様のご要望通り極力パテを薄く済ませるように努力致します(今回に限らずいつも努力はしておりますので…)

完成までまだ時間掛かると思いますが、何卒もう少々お待ち下さい。

ちなみにリヤバンパーは保険屋さんより「再利用して下さい」との意見がありましたが、オーナー様に連絡いっているでしょうか?。こちらも明日保険屋さんに確認とってみます。

2006/03/02
 
jpg画像 フィアットバルケッタ 板金完了(img47.jpg) -47- フィアットバルケッタ 板金完了

こんな感じで叩きは終了です。マスキングしてあるのはこの後のプライマー(スタンドックスレッドブラウン)を塗るためです。

鋼板表面でムラっぽくなっている箇所は、亜鉛メッキが残った箇所と取れてしまった箇所です。亜鉛メッキが取れて鉄無垢の状態は非常に錆び易いので速やかに防錆処理が必要です。この状態では素手で触れる事もしません。
入庫時に起きていた巨大な「ブリスター」は、その箇所を削ってみるとパテは付いていませんでした。プライマーも塗ってあった箇所ですが、鉄板表面に錆らしき跡が出ていました。恐らくプライマーを塗る前に水分がその箇所に飛んだか、或いは鋼板を露出したまま放置した為と思われます。そうならないように急ぐ必要がある訳です。


ちなみにお預かりしておりますアウディA4は明日(本日)保険屋さん立合いになります。画像まだ撮っていなかったので後日掲載になります。先日はご足労頂き有難う御座いました。詳細解り次第報告させて頂きます。日記も楽しみにお待ち下さい。

2006/02/28
 
jpg画像 フィアットバルケッタ フロントパネル修正(img46.jpg) -46- フィアットバルケッタ フロントパネル修正

既にバルケッタはサフェーサーまで完了しております。オーナー様今頃中国に出張中との事で、帰国はまだ先になるのでお渡しはまだまだになりますが、作業は順調に進んでおります。

バルケッタのフロントパネルは鋼板一枚物で、それがコアサポート(ラジエターサポート)に数本のステー(多分8本です)で繋がっているだけなので、引き出す作業はそんなに力を掛ける訳ではありません。見た目は大袈裟なのですが・・・。

今回の事故以前に、フロントカウルは修正が入っていたようで、付いていたパテ(1ミリ以上付いてました…)を剥がすとバンパーとのチリが合いません。なのでそちらの方向にも引っ張ってあげます。事故によって入力された力を、逆の方向に同じだけ引っ張ってあげれば理論上は元に戻る筈なのですが、鉄板が伸びて変形しているのでそうもいきません。引っ張ってあげながら、盛り上がって高くなった箇所をハンマリング(ドリーとハンマーを使って叩く事です)します。チェーンを掛けてテンションを掛けながらであれば作業者(自分)の体はフリーになるので落ち着いて丁寧に作業が出来ます。

このチェーンのフックを掛ける箇所や、クランプを掛ける箇所の裏に先ほど作成した「木」を挟んであげれば、ある程度強く引っ張ってもそこだけ変形したりしなくて済んだりします。

2006/02/28
 
jpg画像 フィアットバルケッタ 修正方法(img45.jpg) -45- フィアットバルケッタ 修正方法

今回の修理で「パネル交換」では無く、「板金修正」での作業を選択した理由の一つとしては「叩き易い」がありますが、いきなり叩く事はありません。方法としては、パネルの淵に引っ掛けて「入った箇所を引っ張る」になるのですが、この作業方法も色々とあります。最終的な「結果」の為に最も良い方法を作業者が色々と考える事が重要です。その為に、使用する材料の性質や、今後起こりえる問題の防止策を出来る限り考える事が重要な事だと思います。「今までこの方法で問題なかったから今日もこの方法で良い」は非常に危険な考え方だと思います。

てっとり早く引っ張る出すならば「スライディングハンマー」なる、穴の開いた錘がシャフトをスライドして、「掛ける」「引っ張る」が容易に出来る専用工具がありますが、一人で作業を行う場合はこの一動作しか出来ません。理想的には「凹んだ箇所を引っ張りながら高い箇所を叩く」の作業がしたいので、今回は(今回も)クランプ(パネルに挟んで固定する専用工具)を掛けてテンションを掛けながら、高い箇所を殺す(叩く)作業を行います。
その「クランプ」を掛ける場合や、フックを掛けて引っ張る場合、パネルにそのまま付けてしまうと不必要な変形を起こし易くなります。なので私が好きな方法としては「木」(「もく」と呼びます)を使います(結構普通の事ですが…)。今回のようなアール形状の場合、そのパネル形状に合わせた木を成型し、クランプやフックを掛ける箇所の間に挟んであげるとオリジナルのラインを極力崩さないように引っ張り出す事が簡単になります。またハンマーで叩く時も、間に木を挟んであげれば必要以上に鋼板も伸びません。車にとって必要の無いストレスは極力さける修理が望ましく思います。
私的には「作業前の環境作り」が好きですし、大切な事だとも思います。板金塗装に限らず、仕事としては「結果」が全てですが、その結果の為に大切な途中工程も多くあるのだとも思います。

2006/02/25
 
jpg画像 フィアットバルケッタ 作業開始しております(img44.jpg) -44- フィアットバルケッタ 作業開始しております

こちらは大変お待たせ致しました。ついに作業開始です。

事故の損傷としては、フロントより少し左側に突き刺さるような形での結構大きな損傷です。
しかし今回の修理で、現状問題の起きていた箇所の修理も一緒に行ってしまいます。これは良い事だと思います(オーナー様にとっては全然良いことではありません。すいません…)。

フロントパネルは左右のフェンダーと一体化されている様に見えますが、実際には分割したパネルで、つなぎ目は溶接されてくっついています。大きな赤丸部のフロントの損傷ですが、画像右側の小さな赤丸の部分でもパネルが折曲がってしまい、この箇所が「つなぎ目」になります。

パネル交換も検討していましが、気になっていた以前の「補修暦」は今回問題無く解消されそうなので板金修正で行う事にしました(保険修理なので当然車にとって最善の方法を選択します)。

ちなみにフロントパネルに起きていた問題を挙げてみると、

・ブリスター
 直径2ミリ程の大粒の物から微小のものまであわせると数百個。

・ペーパー目
 #120相当の粗い傷が下地から浮き出ています。

・ラインずれ
 ラインが全然違います・・・

・錆
 これは大きなブリスターの下に発生していました。

修理する前は、フロントパネルを既に交換しているようであれば、今回の修理も「パネル交換」を検討しておりましたが、パネルは新車時からのものなので板金(叩き)で修正する事にしました。車も切られたり(パネル切断)、穴を開けられたり(スポット溶接部はドリルで穴を開けます)、燃やされたり(溶接です)する事は喜ばないと思いますし・・・(何より10年以上先を考えると錆問題の可能性を抑える事が飛躍的に上がると考えます)。

ちなみにバンパーは粉砕してしまっていたので交換になります。

2006/02/25
 
jpg画像 190E(W201)ベンツ完了しております(img43.jpg) -43- 190E(W201)ベンツ完了しております

大変お待たせ致しました。先ほど部品屋さんがわざわざクリップ持ってきて頂き(21:00)完成致しました。

既に塗装は3日前に完了しておりましたが、部品屋さんの手違いで違うクリップが届いてしまい、上司の方が(こちらの方の方が仲が良いのですが)持ってきてくれました。感謝です。

明日電話にて再度ご連絡致します。午前中はちょっと激務になりそうなので午後になるかと存じます。

ちなみに画像では「半ドア」の状態になっておりますが、この型のベンツはドア上部の耳の部分が分厚いので(ウェザストリップ外した状態です)、ドアを閉めた状態だと綺麗に塗れません。この状態で気をつける事は、パネル同士のクリアーの「肌」が変わらない様に注意が必要です。

各ラインも綺麗に復元出来たと思います。仕上がり楽しみにお待ち下さい。

2006/02/25
 
jpg画像 E329ベンツワゴン 入庫〜作業完了(img42.jpg) -42- E329ベンツワゴン 入庫〜作業完了

こちらは新規のお客様ですが、以前より当ウェブサイト拝見して頂いていたとの事で、今回オーナー様が数点気になる箇所があるとの事で入庫となりました。先日はご足労頂き有難う御座いました。

こんかいはクォーターパネルに10cm程の擦り傷、その他細かい傷があったのですが、どうしても「塗装」となってしまうとデメリットの発生も抑えられないので、今回はタッチアップとポリッシュでの作業とさせて頂きました。
今回のお車に限った事ではありませんが、車両に既に傷がついてしまった状態では、それを直す事はいつでも可能であったりもします(当たり前ですが)。車はどうしても「飾り物」では無いので(しかし以前塗らせて頂いた車はそのオーナー様のご自宅の中に飾られていたりもするのですが…)、走っている以上傷が付くのはどうしても避けられません。商売的に考えるならば「塗れば何でも綺麗になって良い」となるのですが、板金塗装は知れば知るほど良い面意外の事も見えてきてしまいます。余り過剰に修理する事はお勧めしておりません。その辺りは人間の治療(手術)に似ていると思います(手術した事はありませんが…)。

タッチアップ箇所は結構目立たなくなったと思います(到底「本塗り」には敵いませんが…)。楽しみにお待ち下さい(本塗りではありませんので、念のため…)

それでは明日の御来店お待ちしております。



2006/02/25
 
jpg画像 メルセデス塗装前状態(img41.jpg) -41- メルセデス塗装前状態

クォーターパネルは結構大きな損傷ではありましたが、今回も無事板金(叩き)での作業で完了致しました。

ちなみに画像内の赤線は、もしクォーターパネルが「交換」になった場合の溶接箇所になります(パネルボンディング工法(構造用エポキシ接着剤使用工法)を使用しない場合)。

クォーターパネルの様に、溶接で付いたパネルを交換してしまうと、どうしても処理し切れない部分が出てきます。手の入らない袋状の箇所や合わせ目パネルの間など、手を尽くしたとしても難しい所があります。作業者にとって辛い事は「解っているけど出来ない」所だと思います。パネル交換を否定する訳では無いのですが(実際ディーラー在籍時はクォーターパネル交換も相当やりましたし…)、自分的に今知っている知識では今回のような作業の方が車にとっては望ましい事だと考えています(ちなみにディーラー在籍時はここまでの損傷での板金修正は殆どありませんでしたし…(と言うより、会社的に受け付けていませんでしたし))。

ちなみに以前も説明しましたが(アルファ146フロントパネル交換の時ですね)、溶接する前に溶接面パネル同士の間に塗る、通電性のある防錆処理剤「スポットシーラー」なる物がありますが、これについても私的には万全な物では無いとも考えています。使っている作業者(鈑金屋)の方であれば感じている事だと思いますが、溶接の温度に到底耐ええる塗料では無いと思います(実際剥がれたりしますし…)。仲の良い鈑金屋さんとも話した結果、以下のような見解になりました。

「パネル合わせ目の隙間から処理出来る箇所であれば、スポットシーラーも何も塗らない方が良い。塗膜は全て削り落とし、溶接が完了したらパネル間の隙間に溢れんばかりにウォッシュプライマーをノズルを使って流し込む。反対側から垂れてくるくらいに。その方が溶接の付きも断然良いし、車が長く持つ」

これは3年前くらいから使っている方法で、もちろん昔からスポットシーラーの使用も多々経験しましたが、私的には今の工法の方が良いと考えております。知り合いの鈑金屋さんも同意見で最近お気に入りのようです。

車はどうしても「消耗品」となってしまうのは仕方の無い事ですが、例えオーナーが変わっても何も問題が起こらない方が良いと思いますし(当たり前ですが…)、何より「車が痛い思い」をしない事が一番だと思います。昔私がバイトで行っていた鈑金屋さんでは、車にとって相当痛い仕事をしていたので(会社の方針だったので…)、「何をすればどうなるのか」は結構身に染みていたります。なのでその経験のお陰で問題対策は色々と考えられる様にもなりました。今となっては感謝です。

2006/02/23
 
jpg画像 190E(W201)ベンツ板金完了(img40.jpg) -40- 190E(W201)ベンツ板金完了

実は既に塗装完了しているのですが、一部クリップ(交換部品)が届かないので完成までもう少々掛かりそうです。お待たせして申し訳御座いません。

画像は板金(叩き)が完了し、この後のレッドブラウン(パテの下に塗れるスタンドックスのプライマー)を塗布する為のマスキングをした状態です。
板金作業後の全体的な流れとしては、

・マスキング
・レッドブラウン塗布
・強制乾燥硬化
・ポリパテ(ヘラ付け)
・強制乾燥硬化
・研磨
・マスキング
・スプレーパテ(スタンドックスのスプレーガンで塗布出来るポリパテ)塗布
・強制乾燥硬化
・研磨
・マスキング
・ウォッシュプライマー塗布(表裏共に)
・プライマーサフェーサー塗布
・強制乾燥硬化
・寝かし(一日)
・調色
・サフェーサー研磨
・被塗面素地調整(#1200研磨&足付け処理)
・清掃
・マスキング
・脱脂
・本塗り
・強制乾燥硬化
・磨き
・組み付け
・完成検査

となります。部品の取り外しは板金の前に行うか、板金後に行うか、またはパテを硬化させている間に行ったりします。この辺りはケースバイケースです。

2006/02/23
 
jpg画像 レンジローバー本塗り完了(img39.jpg) -39- レンジローバー本塗り完了

そして本塗り完了しております。本日ブースにて65℃40分の焼き(強制乾燥)を行いましたが、明日再度赤外線ヒーターで二度焼きします。

現行型のレンジローバーは、以前の型と違ってクリアーの肌が細かいです。非常にBMWの肌に似ています。以前のレンジは「テロッ」とした肌ですが、現行の方は「細かく浅い肌」となっています。これも綺麗に再現出来たと思います。

ちなみにこの塗色、ブラックに微量のパールが含まれたものになりますが、データ上だと「黄色味のある黒」に「ホワイトパール」のみの構成になっておりますが、実際は「レッドパール」と「グリーンパール」が使われています(塗膜顕微鏡で以前確認しました(確認するまでも無く肉眼で見えるのですが…))。なのでデータを当てにせず、自分なりに色を作成します(しました)。実は以前はランドローバー&ジャガー系のディーラーから多くの仕事を請け負っていたので、この塗色も相当こなしました。実際に作った色の中身は「青味のある漆黒のブラック」と「黄色味のブラック」、そして「ホワイトパール」「グリーンパール」「レッドパール」「ホワイト」「マイクロホワイト」(酸化チタン)など色々と混ぜています。データは時に全く当てにならなかったりもする訳です(データをベースにすると色が出ません…)。

こちらももう少しで完成です。画像の他にガーニッシュ(ドア下に付くプレート)の塗装も完了しております。仕上がり楽しみにお待ち下さい。

2006/02/21
 
jpg画像 ドアとドアの間のマスキング方法(img38.jpg) -38- ドアとドアの間のマスキング方法

リヤドアの前方に「耳」がある形状をした車種も多くあり、この箇所のマスキング処理は二通りあります。ドアの間のチリが広ければこの「耳」の箇所も一緒に塗ったりしますが、今回のように狭い車種の場合は中まで色が入らないのでちょっと面倒なマスキング方法を使います(と言ってもいつもやっている事なのですが)。
本当の名称は解りませんが、バックテープを応用したような感じで、昔通っていた職業訓練校に来ていた講師が「マキシテープ」などと言っていました(勘違いかも知れませんが…)。なのでとりあえず「マキシテープ」で通します。

先日掲示板でも説明しましたが、15ミリのマスキングテープ(15ミリに限りませんが)の端3ミリ程度を織り込んで「ヒラヒラ」した状態にします。かといってこれが開いた状態になってしまうと上手くいきません。通常の状態は「ピシッ」とテンションが掛かった状態なのですが、画像のように指で引っ張ると織り込んだ部分がめくれます。指を離すと元に戻ります。これが塗装時にはエアーの力で少しめくれます。しかし織り込んだ部分は空気の通らない行き止まりなのでその織り込んだ内部に色が入ろうとする事はありません。この折り目の際で微妙なボカシを行う訳です(説明難しいです…)

またこの場合、塗る方向も一定にしなければなりません。この折り目に直角にスプレーしてしまうとテープ際にクリアーが溜まってテープがくっついてしまいます。なのでスプレーガンがこの箇所に差し掛かる時は30度くらいの角度を付けて折り目の奥に塗料が入らないようにしてあげます。実際にはこの角度を少しずつ変えて行き、最終的にはベースコートより大きめにクリアーがコートされる様に仕上げます。塗り方自体は難しい事では無いのですが、スプレーする際に角度が付くのでその方向の肌が悪くならないように気を使ってあげるのがちょっと難しいところです。
さらに場合によっては「半ドア」状態にしてあげたり、このマキシテープの奥行きを変える事によってもボカシ際が変化したりします。

相当解り難い説明だとは思いますが、いつか「自家塗装講習会」をやる機会があれば是非紹介したいと思っています。(全然未定ですが…)

2006/02/20
 
jpg画像 レンジローバーマスキング(img37.jpg) -37- レンジローバーマスキング

先日掲示板でも相談がありました「マスキング」についてになりますが、画像の状態のようにドアの裏側から貼る方法が「バックテープ」になります。私的見解では全てのマスキングは「バックテープ」が基本となると考えています。
ちなみに画像内のドアは、前に掲載した新品ドアです。

2006/02/20
 
jpg画像 ちょっと休憩です(img36.jpg) -36- ちょっと休憩です

作業とは関係無い画像ですが、一応プロフィットの現場の一部です。華やかですが、ここで実際に作業してます…。仕事中はもっぱらDVD(live物)かCDチェンジャー、PC内などからの音源が現場に流れています。通り掛かる車からは何屋なのか解らないところでしょう…。基本的に現場が好きなので、とにかく現場は居心地の良い環境にしようとしている内に色々と様変わりしていきます。これが非常に楽しいので…。
板金塗装屋と言うと、どうしても「汚い」「暗い」と思われがちなので、まるで逆の環境にしたいと日々思っております。理想的には前面タイル張りの床なのですが…。

2006/02/20
 

My Memory(It's Free!)