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Pro_Fit Diary 【プロフィット日記2006】

ここではプロフィットで最近行った作業内容やお預かりしている被塗物を紹介させて頂きます。
作業進がそのまま掲載されるとは限りませんのでご了承下さい。

他にも以前のプロフィット日記をご覧になれます。

■プロフィット日記2005 …以前のプロフィットで、この頃は小物では無く「自動車板金塗装屋」でした。欧州車をメインに扱っていましたね。

■プロフィット日記2006 …こちらも以前のプロフィットの頃でここで一旦閉鎖となります。MINIのプチレストアもやりました。

■プロフィット日記2008 …プロフィットが「小物塗装」として再稼動し始めてからになります。まだ先が見えていない頃でした(笑)。

■プロフィット日記2009 …この年からは色々塗らせて頂きました。自動車部品以外のご依頼品が増えた年でもあります。

■プロフィット日記2010 …自動車パーツではテールランプの「スモーク塗装」が増えまして、メガネや自転車フレームなどのご依頼も増えた年でした。

■プロフィット日記2011 …テールランプの「レッドキャンディー+スモーク」が増えた年でした。自転車フレームも多いですね。

■プロフィット日記2012 …究極に忙しい夏でした。確か三ヶ月待ちの状態にまでなったかと・・・。

■プロフィット日記2013 …そして現在進行形のプロフィット日記です。相変わらず稚拙な文ですがご容赦下さい…。



■プロフィット旧社外記 …仕事とは関係ない個人的なブログのようなページです。2012年までがこちらとなります。

■プロフィット社外記 …現在進行中の社外記です。仕事とは関係の無い作業や趣味を紹介しています。フランクな言動にはご容赦下さい。


基本的に文章の見直しはしていません。乱文・誤字・脱字がひどいですがご辛抱下さい。スピードと量を優先しています。

ページ内での最新の情報は上段になります。下になると古くなり、「Next」のボタンを押すとさらに以前の情報をご覧頂けます。

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jpg画像 スピーカーボックス補修も(img222.jpg) -222- スピーカーボックス補修も

CLKは既に下地が完了し、明日本塗り予定となります。今回CLKとご一緒に依頼されたものとして、「スピーカーボックス」があります。一本(一個)10万円以上する名機との事です。
木(「モク」と呼びます)の塗装としては、職業訓練学校在勤時にも多少勉強させて頂き、当時は「研の粉で目止め」なども習ったのですが、今回は特にその工法に拘らず、割れた部分などの補修は通常のパテ(ポリエステルパテ)を使用します。既に何回かウッドパネル(自動車内装に使われるローズウッドなど)の補修にも使用しているので、(と言うより、上にウレタン系塗装をするのでこちらの方が適しているとも思えます)問題は無いと思います。
既存の状態では、多少木目の残った「半艶の黒」なのですが、ご依頼内容としては「ピアノのような艶々の黒に」となります。しかしこれは結構大変な事です…。木の塗装は「目止め」が必要な理由として、表面に多くの「気孔」があり、これを「埋める」或いは「抑える」為の下地が大変なのです。若い頃に十分痛い思いしました…。

ちなみに現在この「スピーカーボックス」の他に、木製品の塗装依頼で預かっている品があります。後にどこか(確か表参道辺りだったと思いますが)のギャラリーに展示されるとの事で、今回塗装のご依頼を承りました。まだ展示前なので公には出来ませんが、内容的に珍しい一品なので、後日是非紹介させて頂きたいと思っております。こちらもとにかく手の掛かる作業でありますので…。

2006/06/26
 
jpg画像 メルセデスベンツCLK入庫(img221.jpg) -221- メルセデスベンツCLK入庫

先日はご足労頂きありがとう御座いました。そしていつもご贔屓ありがとう御座います。

既に何回かお世話させて頂きますCLKで、今回はフロントバンパー左部の補修となります。バンパーの部分は部分的な補修クイックスポットで行い、モール(レール)部分は取り外して塗ります。

2006/06/26
 
jpg画像 金属注入(img220.jpg) -220- 金属注入

さっきまで固体だった金属が液体に変わっている状態はかなり感動的なのですがですが、温度は240℃を超えているのでそれを忘れてしまうと結構危険です。作業の際には軍手では無く「皮手袋」の装着を忘れずにしましょう。

2006/06/26
 
jpg画像 鋳造失敗例(img219.jpg) -219- 鋳造失敗例

先ほどの画像内に説明があった「湯口」ですが、これが小さかった為、溶けた金属が奥まで到達する前に湯口が詰まってしまいました…。本来は空気の逃げ道的な穴を確保しておくのですが、今回はそんなに精密なデザインでは無いので油断しておりました…。なのでこれの対策として、湯口の直径を倍程度まで広げて対処します。
また、今回は低融点な事が逆に仇となったとも思われます。注入している内に金属が冷やされてしまい、結構早い段階で凝固してしまいます。これの対策として次の作業では「十分に熱して」を行なうのですが、熱し過ぎてしまったのか、金属内に炭化したようなカスが多量に発生してしまいます。これのせいで溶解した金属が十分に型の隅々まで届かず、また失敗してしまいます。どうやら熱し過ぎてはいけないようです…。

2006/06/26
 
jpg画像 オリジナルバッジ作成 いよいよ鋳造本番準備(img218.jpg) -218- オリジナルバッジ作成 いよいよ鋳造本番準備

ここまでも苦労しましたが、ついに「型」(耐熱シリコン樹脂)に低融点金属(恐らくハンダ)を注入します(しかしここからもかなり失敗を起こすのですが…)。

一応確認の為に説明させて頂きたいのですが、今回の「鋳造」は本業の「板金塗装」(車体修理業)とは日常的に縁遠い作業であり、作業自体が「ご依頼」では無く、極めて私的な挑戦と作業である事をご理解ください。なので文中にて「失敗」なる言語が多く出てきますので心配なさらないようにして下さい。


今回使用した「低融点金属」は、融点が240℃と低く(一般的なアルミで660℃です)、家庭用台所のコンロでも溶解します。オーブンでも可能でしょう。しかし工場内にコンロは無いので、キャンプで使用するガス式の携帯バーナーを使用します。金属を溶かす時に使用する器としては、「るつぼ」なる専用の物があるのですが、240℃くらいであれば身近な物で大丈夫だと思います。私は塗料を入れる金属製の小さな容器を使用しました。同じように利用出来る物は100円ショップでも簡単に手に入れられると思います。ちなみに金属を直接バーナーなどで熱してしまうと「酸化」か「炭化」が起こる可能性があるので、やはり鍋などに入れて熱するのが望ましいと思います(アルミはボロボロになったりするそうです。今回同じ様な事で失敗もしました)。

シリコン型は上下で分割するように作成しているので、これはバイスで固定します。この固定が甘いと、隙間から溶けた金属がこぼれてきます(これも今回経験済みです)。金属では無くエポキシレジン(樹脂)などの場合にはゴムなどでOKです。念のためお皿か何かを下に敷いておくと良いでしょう。


2006/06/26
 
jpg画像 レンジローバーボーグ 出庫(img217.jpg) -217- レンジローバーボーグ 出庫

先日掲載していたリヤバンパー交換のレンジローバーです。本日はご足労頂きありがとう御座いました。

こちらのオーナー様非常に車が好きらしく、今までも相当色々な種類の車種に乗ってこられたようです。話を聞いていると驚かされます(10台や20台どころでは無い気が…)。
本業は映像関係との事で色々な国を飛び回っていて大変そうですが、毎日同じ場所で仕事をしている私としては羨ましい限りです(特に今の環境に不満を持っている訳ではありませんが)。

ちなみに本日こちらのお客様が話していた「ユーチューブ」のサイトですが、発見しました。「U tube」かと思っていたら「youtube」だったんですね。
アメリカのフリーの映像配信サイトで、それを利用する醍醐味としては、自分の作った作品が手軽にアップロード(公開)出来る、との事です。使い方次第では、無料で映像付きの広告(CM)が出せるみたいです。まだちょっと見ただけですが、結構面白いのを発見しました。トップページにある「Where the Hell is Matt?」です。馬鹿らしい事を相当真面目に作ってたりしてます…。結構笑えました。

この度はご贔屓ありがとう御座いました。お仕事も是非がんばって下さい。

2006/06/25
 
jpg画像 そして反転してシリコン樹脂注入(img216.jpg) -216- そして反転してシリコン樹脂注入

先ほどのシリコン樹脂が硬化したら、型枠(400ccポット)より取り外します。
この時点ではシリコン樹脂からマスター(バッジ土台)を外してはいけないのですが、早く確認したいが為に焦っていた為か、外してしまいました。その前にもちょっとした勘違いで一回失敗してたりします。なのでここまでで既に3回目になっています。

型から取り外して、そのままの状態で上下をひっくり返し、再度カップに入れます。今度はバッジ土台の裏側の型を取ります。
そして後に鋳造する際に金属(はんだの様な物ですね)を流し込む為の「穴」を作っておく必要がある為、その個所も油粘土で作成しておきます(実際にはこの穴が小さ過ぎた為に後に失敗します…)。

シリコン樹脂で作る「メス型」は、上下分割式にする為(使い捨てではありませんので)、先ほど作ったシリコン樹脂部分の表面には離型剤を塗っておきます。そして再度作ったシリコン樹脂を流し込みます。
そして硬化したらカップから取り外します。開いた瞬間はありえないくらいの感動を体験出きると思います。

2006/06/25
 
jpg画像 そしていよいよシリコン樹脂注入(img215.jpg) -215- そしていよいよシリコン樹脂注入

頭の中では既に何回も作成し完成してたりするのですが(既にシリコン樹脂は数年前に購入済み。しかし今回は耐熱シリコン樹脂が必要だった為新たに購入してます)、本格的な型取り作業は初めてなので非常に楽しいです。
ちなみに簡単な型取り用の樹脂としては「型取り君」なる商品も販売されています。今回のように精密さを求めなければそれでも十分型が取れますので、そちらの方がDIYには向いているかも知れません(しかし耐熱性はありませんので鋳造はNGです)。

最初に土台の窪みの淵に粘土(今回は油粘土(商品名:あぶら粘土))を少し付けてからプレートをはめ込みます。隙間から溢れてくるあぶら粘土を綺麗にふき取ります。これにより隙間も埋まるので樹脂が隙間内部に浸透する事も防げます。

そして樹脂注入の準備としては、型のマスターとなる物の下にあぶら粘土を敷き詰め、そこにマスター(バッジ土台)を埋め込みます。通常周りはアクリル板や木枠などで囲んでその中に粘土を敷いたりしますが、今回は身近にある塗料カップ(400cc)を使います。

マスター(土台)がきちんと粘土にフィットして埋まっている事を確認したら、ついにシリコン樹脂を流し込みます。
常温で4時間くらい必要ですが、幸いにして強制乾燥をする為の設備は整っているので、40℃20分→80℃1時間として時間を短縮させます。

2006/06/25
 
jpg画像 オリジナルロゴプレート作成(img214.jpg) -214- オリジナルロゴプレート作成

写真では見苦しい点がありますが、こちらはまだ申請が下りていないので、現状社外秘扱いとなっております。申し訳御座いません…。後日公になりますので何卒ご了承ください。

先ほどカッティングプロッターで作成したシールの文字を、出来上がったポリエステル樹脂プレートに貼り付けます。
この後、このプレートに「サンドブラスト」を行う事により、シールを貼り付けた個所以外の部分が掘り下げられる事になります。ポリエステル樹脂は削れ易く、シール部分は柔らかいのでサンドブラストから耐えられるのです。
結果、シールの文字部分が凸状になり、格好良い「浮き文字」のデザインが出来上がるのです。家の玄関に付ける石製の「表札」などもこのような方法で作るのでは無いでしょうか(私的想像ですが)。

2006/06/25
 
jpg画像 オリジナルバッジ内プレート作成(img213.jpg) -213- オリジナルバッジ内プレート作成

土台から七宝焼きプレートを外して気が付いたのですが、土台と七宝焼きプレートの接合面は「平面」では無く、丸みを帯びた円錐状になっている為、単なる「平面プレート」を作成してもきちんと土台にフィットしません。なので、土台を「雌型」として、プレートの元型素材を作ります。

方法としては、土台凹部に離型剤(スプレーシリコン)を塗り、その窪みにポリエステル樹脂(FRP補修で使う物。商品名:リゴラック)を流し込みます。これだけです。
ポリエステル樹脂が硬化したら、土台から外します。が、一回目は外すのが早過ぎた為に割れました…。薄い為、きちんと硬化していないと簡単に割れてしまいます。しかし完全に硬化させてしまうと、今度は外すのが大変になってしまいます。土台がシリコン樹脂のように柔らかければ(変形すれば)いいのですが、金属なのでそれが出来ません。
再度同じ事をして、今度は慎重にタイミングを見計らって取り外します。

2006/06/25
 
jpg画像 Pro_Fit 企画物発動しています(img200.jpg) -200- Pro_Fit 企画物発動しています

6月に入ってからは比較的仕事も落ち着き、ついに前々から構想していた企画物を発動致します。この様な「誰からの依頼でも無い仕事」は初めての事では無いでしょうか。
ちなみに今までこの日記に掲載されていた「企画物」の意味とは、プロフィット本来の目標・作業である「新車時の状態に近く」や「限りなく元の状態に戻す」事柄以外の事になります。今までの企画物としては、その方向性・目標としては色々な物がありましたが(某大手メーカーの景品になる、イメージキャラクター仕様のスクーター作成などもやりました…)、どれも必ずクライアント様(依頼者・顧客)が居たり、デザイナーさんからの指示があったりと、こちらからはその依頼内容への細かいアドバイスが主となっておりました。
しかし今回は、コンセプトからデザイン、そして実作業までを当店で一括して行う試みとなっております。
しかし私の信条でもある「依頼者が居るからこそ作業に身が入る」の考え方からして、今回のような作業は余り気が進まず(アイデアのみどんどん進行)、中々行動に出る機会がありませんでした。それが今月に入ってようやく実行可能となった訳です。

企画内容については頭の中に詰まっていただけなので、それらを形にするべく、資料集めやら資料作成(特にイラストレーターを使ってデザインを興すのに時間を費やしました…)、そして各アイデアは知的著作権としての申請も行っております。
しかし忙しくなってしまったらこちらの(自社企画物)の作業は止まってしまう為、これらのデスクワーク的な作業をしながら平衡して実作業(現場作業)も進めていかなくてはなりません。頭が混乱しがちです。
しかし周りの方々から多くのご支援を頂き、実際にはかなりのスピードで企画&作業は進行しております。また、この「プロフィット日記」とは別に、それ専門のサイトを立ち上げる事も検討しております。そちらも進み次第ご案内させて頂くと思います。進行状況は(極力)毎日更新していきたいと思います。




2006/06/21
 
jpg画像 ローバーミニ 組み付け前状態(img199.jpg) -199- ローバーミニ 組み付け前状態

最近ではとにかくこの車両が派手で、通りかかる人皆さん注目していました。こんな色にしても許される所がミニの良い所だと思います。私的にはちょっとキツイですが…。とにかく黄色系は「虫」が沢山寄ってきてしまうので…。

こちらのミニの作業をご依頼頂いた元請さんが先日言った言葉が「塗装こそ最高のカスタムだよねー」的な事でしたが、なるほど確かにそれもあると思います。同じ車両でもいきなりイメージが変わってしまいますし、誰が見てもビフォアーアフターの違いが解りますし。

私的には色を変えてしまうような全塗装よりも、損傷(事故)前の状態により近くする作業の方が全然難しいと思います。一から自分本位で作る芸術品よりも、それを修復したり、それに酷似させる贋作の作成の方が実は難しい事なのでは?と思ったりもします。これは昔読んでいた漫画で「ギャラリーフェイク」なる作品があり、それの影響もあるのだと思います。「絵画に使われている特殊な顔料を調べ上げ、まずはその調達から仕事が始まる」なんて内容は結構面白いです。リンク先ではサンプルが見られます。本編は有料なのが残念ですが…。私も機会があれば単行本手に入れたいと思います。

2006/06/18
 
jpg画像 ローバーミニ 全塗装直後(業者様依頼)(img198.jpg) -198- ローバーミニ 全塗装直後(業者様依頼)

そして塗装完了です。同業者さんであれば解って頂けると思いますが、とにかく染まらない(隠蔽しない)色です…。レモンイエローですね…。
最初に下色として白を1コート入れましたが、その上が染まりきらないとキャンディー塗装になってしまうので、イエローは7コート入って(塗って)おります。ここまでベースコートを入れてしまうと(塗ってしまうと)「艶引け」の原因にもなりますが、シンナー設定(希釈率・揮発速度)を適正に行い、キッチリ「ウェットコート」を心掛ければスタンドックスの場合「艶引け」は起りません。デュポンの場合はある程度「艶引け」は起きてしまいます。勿論両者とも、ベースコートを7コートもすれば「硬化不良」の起る可能性が高くなるので(これもデュポンの場合起こり易いのです)、ベースコートにもハードナー(硬化剤)を適量混入します(基本的にはデュポン・スタンドックス共にベースコートには硬化剤を入れなくても塗装可能です)。

ルーフはオールドイングリッシュホワイト(ちょっと黄味掛かった温か味のあるホワイト)になりますが、こちらは一旦イエローを完了させてからとなります。二度手間にはなりますが、この方が仕上がりは良く出来るからです(勿論これはケースバイケースです)。

2006/06/18
 
jpg画像 ローバーミニ 全塗装直前(業者様依頼)(img197.jpg) -197- ローバーミニ 全塗装直前(業者様依頼)

最近ミニの全塗装をする機会が多いですが、中まで塗る「色変え全塗装」は基本的に受け付け停止中となっておりますので何卒ご了承ください。外側のみの「同色全塗装」は受け付けしております。

ローバーミニの場合、車体本体からドア・トランクへの配線はありません(ガラスは手動ですし…)。なのでドアパネルを車体から外すのはそんなに手間ではありません。通常の車は車体からドア内部やトランク内に配線が通っているので、これを外す手間があります。リヤゲートなどは結構大事です。当店では内部まで塗る場合の全塗装では、各部品は外して塗る事が前提なので、4ドアの場合などはかなり時間が掛かってしまいます。先に内部を塗ってから一旦組み付けて外側と通して塗るか、或いは単品で塗るか、どちらにしても内部を塗る場合は外して塗ることが基本と考えております。そうしないと、スプレーし難い個所は「粉を吹いた」ようにガサガサな仕上がりになってしまいます。これは美しくありません…。業者さんからの依頼のみ、特例で付けたまま塗るケースもありますが、やはり許されるのであれば(コスト的にですね)外して塗ります。なのでミニの全塗装依頼は結構受け入れやすく、頻繁に行っていたりする訳です。

ベース車両としては、やはりある程度年式が経っているので、各個所に錆も発生していたので(穴も開いていたので)、下地処理の範囲は多少広くなっております。ガラスの淵はどうしても錆び易いですね。特にミニの場合、普通の(近年の)車両の亜鉛鋼板とは違うので錆の侵食は大きいです…。左右のドアは既に下側が錆により腐っていたので、こちらは左右とも中古部品の程度良のドアに交換します。しかしミニの場合、車両毎に寸法が違うので、他の車から取ったドアがそのまま付かないケースもあります。ガラスまでもが大き過ぎて付かないケースもありますし…。それも個性があって良いのかも知れませんが、作業する側としては時々困ります(と言っても知っていれば些細な問題に過ぎませんが)。

2006/06/18
 
jpg画像 アウディA4 出庫(img196.jpg) -196- アウディA4 出庫

本日は(先日は)ご足労頂きありがとう御座いました。本日出庫したアウディになります。
こちらのオーナー様にも多々お世話になっておりますが、人の不幸の上で仕事が成り立つのはやはり少々心苦しい所でもあります。「またどうぞ」などとは言えませんし…。
しかしお困りの際にご用命頂けるのはやはり嬉しい事であります。そんな事態が起きてしまった時には、少しでもオーナー様の不安を解消出来るように勤めていきたいと思っております。
前回の入庫時にはまだ「塗装カルテ」を作成していませんでしたが、今回苦労した調色作業では、内容の濃い調色データを残しております。万が一の時に、さらに的確な修理方法を提示出来るよう、板金・下地処理の内容や使用した材料、塗装した時の状況などをデータとして残しておりますのでご安心下さい。

内外装共に状態良く維持されておりますので、今後も末永く乗り続けられる事と思っております。御不備な点など御座いましたらお気軽に申しつけ下さい。この度のご依頼・ご贔屓、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 メルセデスベンツ500E 出庫(img195.jpg) -195- メルセデスベンツ500E 出庫

こちらは本日(もう日付変更したので昨日ですね)出庫しました、ボンネットを交換した500Eになります。

先にも記述しましたが、ボンネットはオーナー様自ら中古品を探し(これが基本となり、当店での中古部品検索代理購入はしておりません)、当店での作業はこちらの交換と、ポリッシュのみとなります。

ボディとボンネットはどうしても多少の色違いは解りますが、オーナー様的には問題無い御様子でしたので良かったと思います。元々付いていたボンネットは、塗膜劣化により「総剥離」の必要もある状態でしたので、その修理費に比べれば出費は抑えられたと思います。

オーナー様的には他にも気になる個所がまだあるとは思いますが、とりあえずは今回の状態になって洗車も楽しく出来る事と思います。「外観」は実走行する上では関係の無い事ではありますが、美観を大事にする気持ちが無くなると、オイル交換などの消耗品交換する意欲も無くなり、ついには車両自体の寿命が短くなるとも考えられます(私的見解です)。是非末永く乗り続けられるよう、私も応援しております。もう一台の御車(ベンツワゴン)も維持し続けられると良いですね。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 アルファ スパイダー 完成(完了)(img194.jpg) -194- アルファ スパイダー 完成(完了)

先日既に出庫済みとなりますが、出庫直前の画像を掲載させて頂きます。先日はご足労頂きありがとう御座いました。

入庫時には猫による引っ掻き傷や洗車傷により塗膜本来の艶が無かった状態でしたが、今回のご依頼(各部塗装&ボディ全体ポリッシュ)で美しい状態に戻れた事と思います。後日オーナー様よりメール頂き、より一層愛着が湧いたとの事でこれは本当に何よりです。ありがとう御座いました。

イタ車なアルファなだけに、今後も維持するのは普通の車よりも大変な面が多々あるとは思いますが、是非末永く乗り続けられるよう応援しております。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました。

2006/06/18
 
jpg画像 レンジローバー カラーデータ情報(img193.jpg) -193- レンジローバー カラーデータ情報

このレンジローバーの塗色は今まで結構経験があり(業者様からの依頼が殆どなので日記には掲載していませんが)、以前の掲載でも説明しましたが、塗料メーカーに記載のカラーデータは実車とはちょっと違います。データ上ではブラックの原色に少量のホワイトパールのみとなっていたりしますが、実際にはレッドパールやグリーンパールも混入されています。塗膜顕微鏡・肉眼どちらでも確認出来る程です。なので今回は前回の依頼時に作成した独自のカラーデータ(塗装カルテ)を参考にして調色をします。作業時間が短縮出来るのは勿論なのですが、何よりこのような事(色味・調色作業等)でオーナー様の不安が少しでも解消されれば、と思っております。

ちなみに今回の損傷は内板(リヤパネル)にまで至っておりませんでしたのでご安心下さい。
現在海外出張中との事と存じますが、日本への無事のご帰国お待ちしております。

2006/06/18
 
jpg画像 レンジローバー 作業完了しております(img192.jpg) -192- レンジローバー 作業完了しております

掲載が大変遅れてしまいましたが、作業は既に完了しております。ご安心下さい。画像は完了した状態になります。

こちらは以前、左リヤドア交換と左フロントドア板金でお世話になりました方で、今回は後ろからの車両に追突されてしまいました。パッと見は損傷具合は解らない程度でしたが、追突した方の車両は結構なダメージだったとの事です。レンジは重くて硬い為でしょうか…。

修理内容としては、リヤバンパー交換&塗装、リーンホースメント交換(バンパーの骨で鉄製)、バンパー付属品交換、左クォーターパネルにもバンパーが押された時の損傷が少し見られたのでこちらも塗装になります。

各修理内容は後述致します。とりあえずは完成の報告を先にさせて頂きました。

2006/06/18
 
jpg画像 AUDI A4 本塗り完了!(img191.jpg) -191- AUDI A4 本塗り完了!

そして本塗り完了です。
いつも掲載している「本塗り完了」の時の画像は、本塗りが完了し、全体的に見直しをしてから撮影しています。この時点で、塗膜はまだヌルヌルした状態です。この後、一時間程自然乾燥でファンを回しっぱなしにし、その後強制乾燥(所謂「焼き」ですね)をします。場合によっては(2Kエナメル3コート塗装時)3時間程空回し(自然乾燥)させる場合もあります。塗ってから直ぐ熱を掛けると、塗膜中の溶剤が一気に抜け、塗膜表面にピンホール(所謂「ワキ」です)が多数発生したりします。急ぐ場合は、自然乾燥では無く「予熱乾燥」を行ったりもします。予熱乾燥とは、40℃15分くらいで比較的早めに塗膜中の溶剤を抜くことが出来たりします。本乾燥は60℃〜75℃くらいで40分〜60分が目安になります。この幅としては、塗料の性質や被塗物によって変えたりします。
予定では明日には完成出来ると思います。お待たせして申し訳御座いませんでした。作業完了後、改めて連絡させて頂きます。

2006/06/14
 
jpg画像 メルセデスベンツ500 中古ボンネット(img190.jpg) -190- メルセデスベンツ500 中古ボンネット

先日はご来店頂きありがとう御座いました。

こちらはメルセデスベンツの中古ボンネットで、ポリッシュを終えた状態です。

ご依頼内容としては、既存のボンネットの塗膜が粉を吹いたように劣化し、半分以上艶の無い状態(細かいクラック)で、それを修理する場合、旧塗膜を全て剥離し下地を作り直さなければならない状態でした。しかしそれは非常にコストの掛かる内容となります。なので、同色の部品を手に入れ、「それをそのまま付けてしまおう」との事となりました。
しかし当店では中古部品の手配はしておりません。これの理由として、お金を払って買った部品の塗膜に当初想像しなかった問題が発生していた場合、それは単なる産業廃棄物になる危険性がある為です。写真を見るだけや、先方(売り手ですね)の話だけで判断は出来ません。
しかしお客様がご自分で部品を探し、手配するのは問題御座いません(場合によっては受け付け出来ない場合もありますが)。発送先は当店宛てでOKです(勿論事前に打ち合わせは必要です)。
今回は幸いにも塗膜自体に「剥がれる」等の問題はありませんでした。全体的なポリッシュもご依頼頂いたので現在は綺麗な状態になっておりますが、中古部品の為やはり傷は数箇所付いております。しかしこちらは事前に「保管傷アリ」との事でしたので、オーナー様も問題にはしておりません。私的にも比較的「当り」な部品だと思います。

屋根のポリッシュも完了はしましたが、旧塗膜の問題についてまた改めて報告致します。
作業自体は完了しておりますので、明日ご連絡させて頂きます。楽しみにお待ち下さい。

2006/06/14
 
jpg画像 AUDI A4 本塗り前(マスキング完了)(img189.jpg) -189- AUDI A4 本塗り前(マスキング完了)

そして本塗り前の状態です。塗装パネルについている付属品は殆ど外しておりますが、リヤガラスのみ唯一そのままです。勿論外す必要がある場合は外しますが、私的には新車時のシーラーを剥がしたりする事が好きではありませんので、いつもの通りモールリフティング処理を行います。勿論この方法が難しい車種もありますので、ケースバイケースです。アウディのリヤガラスモールの場合、3M社せいのリフティングテープ(10mm)が丁度良く、小画像内のように十分な隙間を開ける事が出来ます。これであれば奥の方まで下地処理(足付け処理)が十分に行え、塗装も奥まで入りこむので、車にとっては良い方法と考えての作業となります。ちなみに、実際には今回のような保険作業の場合、リヤガラスを外した方が会社的には儲かったりします(裏話的ですが…)。作業は外注依頼のガラス専門の方にお願いするので、弊社の手間には殆どならず、保険会社への請求は「定価」で、実際にガラス業者さんへのお支払いは定価分の60%〜70%だったりします(勿論この理由としては、定期的なお付き合いがあり、作業場所を提供している事も含みます)。ディーラー在勤時の時は有無を言わさずガラス脱着をしていたりもしましたが(私の判断ではありませんが…)、私的には修理で起り得るデメリット・リスク分は極力削りたい作業をしたく思っております。

ちなみに傷に対してサフェーサーが随分大きい面積となっておりますが、今回のようにベースコートを塗布出来る面積が大きい場合(連続したパネルの為)、傷部分を研磨した段差(フェザーエッジ)を極力緩やかにする為に範囲が大きくなっております。無意味に大きくしている訳ではありませんので、オーナー様ご安心下さい。

2006/06/14
 
jpg画像 AUDI A4 イタズラ傷修正(下地処理)(img188.jpg) -188- AUDI A4 イタズラ傷修正(下地処理)

大変お待たせしております。実は本日で殆どの作業が完成しております。気を揉ませてしまってすいません。

こちらの作業としては、今回傷を付けられた個所を削り落として、プライマー&サフェーサーを塗る工程になります。やはり深い個所も多く、鋼板まで達している個所も比較的多かったと思います。
傷が付いた個所の塗膜を削り落とす事により、塗膜分の厚み(新車時の厚みにしておおよそ120μ〜140μ)が足りなくなる訳ですが、これを補う為に「サフェーサー」が必要であり、その下にはウォッシュプライマーを塗布し、亜鉛メッキ層が無くなり鋼板が露出してしまった個所の防錆も補います。ちなみに、自動車塗装作業をする上での100μは相当な厚みになります。(1ミクロン=1000分の一ミリ)

2006/06/14
 
jpg画像 アウディA4 入庫(img187.jpg) -187- アウディA4 入庫

先日はご足労頂きありがとう御座いました。そしてこの度もご贔屓頂きありがとう御座います。
こちらは以前、都筑店の時にもお世話になりましたアウディで、今回は酷いイタズラ傷を付けられてしまい、そちらの修理のご依頼となります。相当鋭利な物で傷を付けられた感じで、明らかに刃物を携帯した通り魔的な犯行と思われます。このような行為を行う人間が居る事は非常に残念です。「全ての行いはいずれ自分に返って来る」と思いますので、いずれ犯人も同じ思いをするでしょう(私的見解で、さらにオカルト的な事は好きでは無いので余り言うことではありませんが…)

作業進行状況としては、今週始めに保険会社様よりアジャスター(調査員)の方が来られ、現車確認して頂き、先日作業開始致しました。現在、塗装パネルの付属品を取り外し、傷部の修正作業をしている所になります。
完成まで不都合お掛けいたしますが、何卒もう少々お待ちください。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 旧塗膜状態(img186.jpg) -186- アルファ スパイダー 旧塗膜状態

今回塗装以外にご依頼頂く、ボディ全面のポリッシュで、施工前の塗膜の状態になります。洗車傷や猫が幌に登る時に付いた傷で全体的に艶がありません。「艶が無い」と感じるのは光の反射率が悪くなっている為で、この反射率を悪くするのは、塗膜表面の平滑性が無くなっているからです。なのでこの傷を研磨して取り除くポリッシュ作業が必要となります。コーティングだけではどうにもなりません。

2006/06/08
 
jpg画像 テスタロッサ本塗り完了(img185.jpg) -185- テスタロッサ本塗り完了

サイドシェルの部分は「艶消し黒」なので、こちらはスタンドックス2Kエナメル(1コートソリッド)を艶消し仕様にして塗装します。塗った直後は通常の塗装と同じく「艶々」に仕上がりますが、乾燥するにつれて艶は段段無くなってきます。写真の状態では半艶程度まで艶が引いた感じです。
この「艶消し仕様」は色々な方法がありますが、今回の仕様としては

主剤・・・・・2Kエナメル黒 70%
艶消し剤・・・MIX606  30%
硬化剤・・・・上記合計に対して50%
シンナー・・・上記合計に対して 5%

となります。

上記艶消しの黒を塗布する前に、下側にはボディーシューツ(アンダーコート)を塗布しています。純正の状態がそうなので、勿論それを再現しています。

また完成した写真を撮り忘れたまま出庫してしまいましたが、今回も仕上がり喜んで頂けて何よりです。途中お友達のF40オーナーの方がいらっしゃいましたが、余りお世話させて頂く機会の無いように…です。
この度はありがとう御座いました。

2006/06/08
 
jpg画像 フェラーリテスタロッサ 板金完了(img184.jpg) -184- フェラーリテスタロッサ 板金完了

こちらは昨日出庫したテスタロッサですが、作業内容ご案内致します。こちらもリピーターの方で、最近は入庫のおよそ半数がリピーターの方で、これは作業者にとって非常にありがたい事であります(勿論新規の方も非常にありがたいです)。

今回のご依頼としては、サイドシェルを擦ってしまい、既存のパテが割れてしまっていました。以前の補修暦からして、サイドシェル全体にパテが入っている(塗られている)と思われますが、今回はこれを全て剥離する訳では無く(問題が起きている訳ではありませんので)、損傷部分のみの板金とします。
最初の見た目の損傷としては、そんなに広範囲ではないのですが、損傷時の衝撃により、その周りの部位のパテは密着性が落ちているケースが多いです。なので、それを確認しながら既存のパテを研磨除去し、問題が無いと判断出来る個所までそれは広がります。なので思ったよりも広範囲なパテ作業にはなります。
本来「旧塗膜」にパテは被せない作業が基本となりますが、今回のようなケースではパテの上にパテを被せたりもします。そうしないとラインは出せませんので…。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 艶消し黒塗装(img183.jpg) -183- アルファ スパイダー 艶消し黒塗装

ボディの赤が塗り終わり、強制乾燥完全硬化後にエンブレム周りの艶消し黒を塗ります。その前に勿論下地処理はしておきます。
バンパーの一部分ですが、この黒い部分によってボディ全体のイメージが引き締まります。
アルファのエンブレムも装着し、イタリアンなデザインの完成です。

ちなみに今回のスパイダーヴェローチェは初めて手を掛ける車種なのですが、バンパー分解は結構面倒でした…。バンパー内のサイドマーカーや、写真上のエンブレム一つ外す為に、裏側の付属部品全てを分解しないと外れないのです。初めて手掛ける車種は時間は掛かりますが、やはりそれは楽しい作業であり、勉強にもなるので好きな事でもあります。
先日、既に常連さんとなったレンジローバーボーグの方がいらっしゃいましたが、工場を見て「ここは色々な車種があって来る度に面白いですね」とおっしゃっておりましたが、確かに色々な車種を扱えるのはディーラー在籍時の時と違い、非常に楽しいです。この度のご依頼も非常に感謝しております。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 本塗り完了(img182.jpg) -182- アルファ スパイダー 本塗り完了

そして本塗り完了です。美しい塗膜が出来たと思います。

フロントバンパー先端の、アルファロメオエンブレムが付く個所は「半艶黒」になっているのですが、元々の塗膜の「際」部分が醜い状態だったので、この際の段差を研磨平滑にし、その部分も一緒に一旦塗装してしまいます。これにより「赤」の塗装によって、下地を作る事にもなります。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 本塗り前(img181.jpg) -181- アルファ スパイダー 本塗り前

フロントカウルパネルはボディより取り外した所、淵部分に錆が若干見られたのでこちらも処理します。劣化の酷かった部分の塗膜(部分的な塗装暦)も剥離し、結果全体的にサフェーサーの塗布となりました。ダクト部分の部位は特に損傷はありませんでしたが、色を合わせる為に「ボカシパネル」として、こちらも一枚塗ってしまう必要があります。

バンパーは傷は無かったのですが、端部分に1cm程度の亀裂があった為、こちらは研磨して掘り下げ、エポキシ接着剤の充填とエポキシパテでラインを作り処理します。この他ボディの一部分にも粉を拭いたような塗膜の劣化があったので、そちらも処理&塗装しています。「粉を吹いたような塗膜劣化」の原因の多くは、紫外線による塗膜の劣化です。紫外線は塗膜にとって脅威です…。
しかし自動車補修向けの塗料としての「アクリルウレタン」「ポリウレタン」「アクリルポリウレタン」の塗料は、それでも他の塗料(建築系塗料や焼付け型塗料(熱硬化型アクリル・メラミン塗料))に比べ、非常に耐候性は良い材料です。この自動車補修向けの塗料を自動車以外の物に使用すれば「自動車外装並みの高美観構造物」も出来るのですが、数十倍〜数百倍のコストも掛かるのでこれは余り現実的ではありません…。普段気にしないと考えたりもしないのですが、自動車ほど「高美観」「耐久性」「防錆」を求められる被塗物は、実は他に類を見ない事でもあったりします。結構気付き難い事なのですが…。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファ スパイダー 調色(img180.jpg) -180- アルファ スパイダー 調色

フロントバンパーは一本丸々ベースコートを入れる(塗る)のですが(勿論クリアーもです)、比色をするパネルによって色味は全然違います。ボディ自体各場所の退色具合によって色味が違うのです。アルファの赤はいつもそうです…。
画像では、フロントカウル部で調色したものを(画像大)、それをそのまま側面に当てて比べています。側面の方が鮮やかな黄色の赤味があります。なので側面用にもさらに色を作ります(画像小)。そして本塗り時、バンパーの中で「上面」の色と「側面」用の色をボカシて塗り分けます。各部位で全然色味が違うので、今回のご依頼の「色味を合わせる」に対してはこうしないと対処できません。

2006/06/08
 
jpg画像 アルファロメオ スパイダーヴェローチェ入庫(img179.jpg) -179- アルファロメオ スパイダーヴェローチェ入庫

先日はご足労頂きありがとう御座いました。既に殆どの作業が完了しており、週末には完成予定となりますアルファのスパイダーになります。

今回のご依頼としては、退色してボディと色味が変わってしまったフロントバンパーの塗装と、紫外線による塗膜の劣化でカサついてしまったフロントカウルパネル(ワイパー根元のパネル)、そしてボディ全体のポリッシュ&コーティングになります。
特にフロントバンパーはアルファ特有の「紫」っぽくなる現象が酷く、これの理由としては、退色し易い「鮮やかな黄色味のレッド」の顔料分が劣化してしまった事によります。ベースコートの赤と、クリアーコートの「2コート」になっているので、磨いてもこれはどうにもなりません。なので目立つ傷はありませんが、バンパーは塗装が必要となりました。

2006/06/08
 
jpg画像 プジョー306 本塗り(クイックスポット)(img178.jpg) -178- プジョー306 本塗り(クイックスポット)

既に出庫済みのプジョーで、遅れてしまいましたが本塗り時の画像を掲載させて頂きます。
部分的な補修として気をつける事は、クリアーのボカシ際を極力「プレスライン」で行う事です。これであれば後に発生する可能性の高い「クリアーのボカシ目」は解らない仕上がりに出来ます。今回のプジョーの場合は、ナンバープレート周りのプレスラインを利用し、目立つ個所としてはバンパー上面の幅5cm程で抑える事にします。
今回のプジョーは色的にも、旧塗膜的にもボカシのし易い下地であった為、美しい仕上がりに出来たと思います。オーナー様にも喜んで頂けました。
最初は自家塗装も考えていらっしゃったそうですが、思ったよりも難しく、大変な作業にしては理想通りの仕上がりにはならないのが自家塗装であったりもします(私も昔に多く経験済みです)。しかし「それでもやってみたい」と思う気持ちも良く解りますので、応援は致します。お困りの方は是非掲示板までご質問どうぞ。

この度はありがとう御座いました。末永く大切な愛車に乗り続けられるよう私も応援しております。

2006/06/08
 
jpg画像 フェラーリテスタロッサ入庫(img177.jpg) -177- フェラーリテスタロッサ入庫

本日は直行で業者さんの所に行っておりまして不在ですいませんでした。本日のご来店ありがとう御座います。

こちらは以前ポリッシュのご依頼を承りましたテスタロッサで、今回はフロントバンパー下と、サイドステップ下の擦り傷修理のご依頼になります。ご贔屓ありがとう御座います。

明日、お見積りの件で連絡させて頂きます。しかし明日も一件業者さんの所に直行なので、連絡は午後になるかと存じます。申し訳御座いません。

この他、本実アルファスパイダーも入庫致しました。その節はご来店ありがとう御座いました。本日良い写真が撮れませんでしたので、後日改めて掲載させて頂きます。車両完成までこちらも是非お楽しみ下さい。

2006/05/31
 
jpg画像 プジョー306 カラーコード確認(img176.jpg) -176- プジョー306 カラーコード確認

その車の色を記す「カラーコード」は、車体のどこかに記載してあるのですが、私は全ての車種でその場所を覚えている訳ではありません。と言うより、覚えきれませんし、あるべき所に無い場合も多々あります(これが困ります…)。

アウディ・VW系は、ラゲッジスペース内のスペアタイヤの近くにシールがあり、アルファロメオ系はリヤゲート・トランクの側面にシールが貼ってあります。BMWはEGルーム内のショックの頭の付根部分にシールが貼ってあります。ベンツ系はコーションプレートに打刻があるのですが、どれなのか判別が難しいかったりします。
大抵はエンジンルーム内か、ドアを開けたピラー部分にあるのですが、時々シート下カーペットの下や、記載自体が無い場合もあります。ルノーは発見し難いですが、保証書に記載してたりします。どうしても発見出来ない場合もあり、この場合は塗料メーカーの色見本帳から探したり、メーカーに電話して確認したりします。

一応参考としては、メーカーからカラーコード記載の位置確認の為の冊子があったりもします。スタンドックスはこの辺りのサポートもありがたい所です。

2006/05/31
 
jpg画像 ミニ フロント部 ウェルドボンディング工法(img175.jpg) -175- ミニ フロント部 ウェルドボンディング工法

先日行った、ミニ(モーリス)マークUの修理で学んだ通り、パネルボンドとスポット溶接を併用した「ウェルドボンディング工法」で、先に外したパネル取り付けを行います。「今後もう錆びない様に」です。

外した個所の錆を落とし、パネル合わせ目の個所に構造用エポキシ接着剤「3Mパネルボンド」を塗布し、元位置に合わせて仮固定します。全体的に曲面になっているので、数箇所で仮止めしなければ位置固定が難しいです。しかしエンジンが載ったままなので、バイスプライヤー(固定出来るプライヤー)では難しい個所もあり、その様な場合はビスを打ちます(ドリルビスをねじ込みます)。穴は後ほど同じくパネルボンドで埋めてしまいます。

固定個所が決まれば、パネルボンドが硬化する前に「スポット溶接」を行います。全体的にはパネルボンドで強度は出るので、スポット溶接は8箇所のみとなります。と言うより、エンジンが載ったままなので、本来のスポット溶接個所は打ち込めません。この場合は半自動溶接で行ったりするのですが、今回はこの代わりにパネルボンドがあるので必要ありません。新車時よりも錆は発生し難い仕上がりに出来たと思います。

2006/05/31
 
jpg画像 業者様ミニ 錆被害によるパネル交換(img174.jpg) -174- 業者様ミニ 錆被害によるパネル交換

フロントパネル内にある、フロントバンパーが付く個所が錆により半分朽ち果てていましたので、こちらは要交換となります。既に補修暦があり、パテの下で多量に錆が発生していました。バンパーが付いていたので最初は解らなかったのですが、結構悲惨な状態です…。と言っても、ミニはいつもここが錆びます。鋼板パネルの合わせ目のシーリングが新車時の時から甘く、その隙間にはプライマーが入っていないので、さらに亜鉛鋼板で無ければ朽ち果てて当然の部位です。ミニはこの辺りがある意味特別な構造(酷い造り)なので、普通の車は簡単にこんな惨状にはなりません…。ご安心下さい。

交換方法としては、新車時のスポット溶接個所を、専用のドリル刃(スポットカッター)で揉みます(削ります)。
普通のキリ(業界ではドリルの刃の事をこう呼びます)では、合わさった2枚のパネルどちらも一緒に穴が開いてしまいますが、スポットカッターは刃の先端が平坦になっている為、表の一枚のみ穴を開ける事が出来ます。スポット溶接された表側のパネル(鋼板)のみ穴を開ければ、溶接が外れてくれる訳です。
しかし今回の様に「錆」がひどい場合、スポット溶接された個所が発見しずらく、またパネル同士も錆により固着していたりしますので、この場合はパネルの隙間に薄いタガネを軽く打ち込むと、スポット溶接の個所を発見し易くなり、美しく外す事が出来ます。ここで無理にタガネに頼ってしまうと、いくら薄いタガネでも、ハンマーの打ち込みによりボディ側の鋼板がボコボコになってしまいます。

2006/05/31
 
jpg画像 ミニ 色変えオールペン(img173.jpg) -173- ミニ 色変えオールペン

最近またバタバタしていましたが、こちらがその理由です。サイト内にも記載ある通り、色変え全塗装は現在受け付け停止中なのですが、一部の業者様のみ受け付けています。というより、「ミニ」だからと言う事もあるのですが…。

そんな現状もあるので、作業的にはやり切れない所(時間的・コスト的)も多々あるのですが、長いお付き合いの業者さんでもあるので、その辺りはご了承頂いております。

左右のドアは下部が腐って(錆びて)いたので、中古品ですが交換にします。その他、錆・凹みの個所を修正し、最終的にはレモンイエローな仕上がりになります(オリジナル色指定になります)。

2006/05/31
 
jpg画像 S20 ヘッドカバー結晶塗装完了時(img172.jpg) -172- S20 ヘッドカバー結晶塗装完了時

下地処理(旧塗膜剥離・サンドブラスト・高周波洗浄も?)はお客様が行ってくれていますので、当店の作業としては、脱脂処理(シリコンオフ洗浄)をし、プライマー、結晶塗装、そしてこの後の「凸部」の研磨になります。

色味としては、黒・白・グリーンの3種の結晶塗料で構成・調色しています。
ちなみに、使った塗料はどれも同一の物なのですが、焼き加減(120℃〜170℃の焼きムラ)で色味が変わってしまうので、それぞれ微妙に色味が違います。陶器の焼き物みたいですね…(結晶塗装は焼付け型メラミン塗料であり、通常自動車のボディに塗る補修用塗料のウレタン系塗料とは違います。ボディに塗るウレタン塗料は焼く時点(硬化させる時点)で色味は変わりませんのでご安心下さい(一応念の為です)。

2006/05/31
 
jpg画像 S20ヘッドカバー結晶×3 塗装依頼(img171.jpg) -171- S20ヘッドカバー結晶×3 塗装依頼

スカイラインハコスカのヘッドカバーです。いつもご贔屓頂いております業者様からの依頼になります。このヘッドカバーも既に絶版品との事ですが、まだまだ出て来るんですね…。ご依頼ありがとう御座います。

いつもこのヘッドカバーを持って来てくれる方のお話によると、その方の会社は自動車とは余り関係無い製品を作っているとの事ですが、社長さんが非常に車が好きらしく(特にハコスカでしょうか…)、会社内に自動車再生(レストア)の事業部を作ってしまった、との事です。非常にうらやましい話です・・・。

2006/05/31
 
jpg画像 プジョー306入庫(img170.jpg) -170- プジョー306入庫

先日はご来店頂きありがとう御座いました。本日無事本塗り完了致しました。

実は数ヶ月前に一度別件でご来店見積りに来られましたが、その時のボンネットの凹みはデントリペアーでの修理により解決されたとの事です。が、今回はリヤバンパーを壁に擦ってしまったとの事です。

修理方法としては部分的な補修、「クイックスポット」での対応になります。この度のご依頼ありがとう御座います。

後日磨き工程になりますが、時間的に余裕があるので、明日は一日掛けて硬化させておくとします(明日はちょっと大物の塗装があるので、手が掛けられないところもあります。すいません)。

完成楽しみにお待ちください。

2006/05/30
 
jpg画像 ポルシェ ボクスター 出庫(img169.jpg) -169- ポルシェ ボクスター 出庫

既に相当前に出庫済みだったのですが、出庫時に写真取り忘れてしまっておりまして、こちらは最初に出庫する時の画像になります。この後、再度車両お預かりさせて頂き、リヤバンパーを外して一本塗らせて頂きました。その節はお手数お掛けして申し訳御座いませんでした。

画像では解る筈も無いのですが、確かに普通に見てもクリアーのボカシ目は解ら無いとは思います(オーナー様的にも解らないとのお言葉を頂きました…)。しかし500wハロゲン投光器だとハッキリとボカシ際が出てしまう仕上がりになっていました。その節は不都合お掛けしてしまいましたが、その後塗り直しを許諾して頂きありがとう御座いました。お仕事忙しく、乗る機械も少ないとは思いますが、是非末永く乗り続けられるよう応援しております。この度はありがとう御座いました。

2006/05/21
 
jpg画像 本日の来店者様(img168.jpg) -168- 本日の来店者様

以前、フロントバンパーを自家塗装で塗られるとの事で、塗料を販売させて頂いた方で(完成装着済み)、その後ヘッドカバーを塗らせて頂きました。本日はウォッシュプライマーを購入されていきました。以前から計画中の、室内の塗装(自家塗装)の準備との事です。

実際にレースでもご活躍の車両との事で、途中通りすがりの方々がこの車両を発見し立ち止まって井戸端会議となっていました。非常に派手なので目立ちますよね…。今後もご活躍、自家塗装がんばって下さい。応援しております。

2006/05/21
 
jpg画像 本日の気温(img167.jpg) -167- 本日の気温

今年最高の30℃を記録しました(ブース内雰囲気温度)。塗装時に着用する専用ツナギ「タイベック」は、塗料溶剤が皮膚に触れないような安全設計になっているのですが、これのせいでまるで「サランラップ」を纏っているような感じになります。今年こそは、タイベックに電動ファンを取り付けてみようと思います。それじゃあタイベック(耐溶剤性)の意味が無いのですが…。

2006/05/21
 
jpg画像 RX−7 本塗り完了(img166.jpg) -166- RX−7 本塗り完了

ついに本塗り完了です。
先ほど記載した通り、新車時と同じく2コート仕上がりなので、ベースコートの黒はパネル全体には塗布しておりません。ボカしております。

FD3Sは今まで結構ご依頼があり、これまでにも何度か塗らせて頂いたのですが、新車時の塗装の品質は良いと感じます。それよりもさらにRX−8はかなり良い新車塗膜と感じられます。国産車にしては、と言うと非常に失礼なのですが、実際他の国産車に比べ良い塗膜だと感じます。肌具合、膜厚、硬さ、耐擦り傷性能、などなどです。またRX−8の塗膜は相当耐擦り傷性能が高いと思うのですが…。日産のフッ素などはそんなに良いとも感じないのが本音だったりもします…(極めて私的な見解です)。

新車の製造でのコスト的に、塗装の占める割合はやはり大きいとは思うのですが、「機能性」とは全く関係の無い「美観」を、例えばトヨタ式の「カイゼン」な感じで品質を落とされてしまったりするのは悲しいです。せめて「隠蔽」はしてくれていると助かるのですが…(塗装屋的・私的な悩みです。隠蔽していないと色が合わせられません…)。

話がそれましたが、完成までもう少々、楽しみにお待ちください。

2006/05/21
 
jpg画像 RX−7 本塗り前(img165.jpg) -165- RX−7 本塗り前

ついに本塗りです。大変お待たせ致しました(既に塗り終わっていますが…)。

フェーエルリッド(給油口蓋)は外してありますが、これも塗ってあります。

リヤゲートには大型のリヤスポイラーが付いている為、この端がクォーターパネル上部に差し掛かってしまうので「半開き」の状態にして塗装します。上まで開けてしまうとマスキングの範囲が大きくなり「空気溜まり」が出来てしまい、塵の付着が増える恐れがある為、極力開かない状態にしておきます。
それよりもやはりトランクは閉まった状態で塗るのが好ましいので(私的見解です)、一時はリヤスポイラーを外す事も検討しましたが、ボルトだけでは無く「両面テープ」も使われていた為、こちらは断念致しました。その他付属品は殆ど外しております。
リヤバンパーは、クォーターパネル内部より付いているボルトを外し、隙間を若干開けてあげる事により、完全に外さない状態で綺麗に仕上がるようにしております。

仕上がり的には美しく塗れたと思います。こちらも完成までもう少々お待ちください。

2006/05/21
 
jpg画像 FD3S マスキング技法&専用工具(img164.jpg) -164- FD3S マスキング技法&専用工具

マスキングの「専用工具」と言っても単なる自作品なのですが、普通のプラスチック製の「パテベラ」の、この先端を曲げてあげる事により、通常指先だけでは不可能な部分のマスキングが容易に出来るようになります。

通常、フロントフェンダーを塗らないでドアパネルを塗る場合、フロントフェンダー表面に単にテープや紙を張って養生(マスキング)するだけの方法になってしまいがちですが、フロントドア前方を後方や下部と同じく「バックテープ」にする事により、パネル隙間内部との空気を完全に遮断する事が出来ます(説明難しいです…。しかも同業者向けです…)。

通常フロントドア前方は、ドアを開いた状態では内側に入り込んでしまう為、裏からテープを張る「バックテープ」の技法は難しいです。しかし「バックテープ」こそが理想的なマスキングであり(私的見解です)、これのみが完全な空気の遮断を可能とします。

専用の工具を使ってこの個所のバックテープを行う方法としては、30mm〜50mmのマスキングテープをパネルと直角の状態で隙間に指し込み、ドアエッジに軽く仮止めした状態でヘラ先端を隙間に指し込みます。ヘラの先端は直角になっているので、ドア裏側のテープ部をスライドして擦るだけで、しっかりとテープを裏側に貼り付ける事が出来ます。後はヒラヒラとして食み出た部分をフェンダー側に固定するだけです。

ちなみに、ヘラの「曲げ具合の角度」「厚み」は色々とあると便利です。アウディ系はこの隙間が狭いので、ヘラ先端は極力薄くしておくと良いです(折れるデメリットはあります)。
曲げ具合の角度は、用途によって直角(90度)では無い方がやり易いので、若干角度の違う物を数種類作っておくと重宝します。場合によっては100度くらいの角度がついている方が使い易いです。

これの最も良い利点は、「コストが安い」に限ります。自分なりの工具が数分で作れますし、ヘラの仕入れ原価は恐らく¥200しない筈です。作成に失敗したり、折れてしまったとしてもリスクは非常に少なく済みます。

曲げる方法としては、いつも使っているドライヤー(工業用)が良いです。緊急時に作成する時はライターでも良いのですが、プラスチック内部に十分に熱が加わる前に先端に引火してしまい、異型になってしまいます(これも経験済みです)。
ジコラヘラ(商品名)以外にも、ヨトリヤマカップ1L(商品名)に付属の「攪拌棒」もお勧めです。しなりがあるのでこれも場合によっては重宝します。

この方法を考案してから(と言うより、知っている方には当たり前の事なのですが…)、フェンダーを塗らない場合でのドアマスキングでは100%徹底出来ています。思ったよりも全然面倒な作業では無く、実はマスキング時間効率は上がるとも思います。
ご存知無かった方は是非ご活用してみて下さい。

2006/05/21
 
jpg画像 RX−7 FD3S 入庫(img163.jpg) -163- RX−7 FD3S 入庫

こちらも実は以前の都筑店で御来店頂き、その時はボンネットのお見積もりをさせて頂いたのですが、今回は側面イタズラ傷のご依頼になります。先日は御来店・御足労有難う御座いました。イタズラ傷、世の中本当に多いですよね…。卑怯極まりありません…。

色は黒のソリッドですが、純正からの2コート仕上げになっている為(最初は1コートソリッドかと思っていました)、純正と同じように2コート(ベースコート黒→クリアーコート)で仕上げます。実は本日最終で本塗り完了致しました。

損傷を受けた部位は、左ドアと左クォーターパネルで、その他大きな損傷は無く全体的に綺麗な状態です。ソリッドの黒は維持するのも大変ですが(洗車傷等の小傷が目立ちます)、深々とした漆黒を維持出来ればやはり美しい塗色でもあります。

ちなみにこちらのブラック、黒の中でも相当漆黒です。色相的には「青味」があり、とにかく「黒い」です。

ソリッドの黒は、単に「黒」と言っても、実は千差万別です。「赤い黒」もあれば「黄色い黒」もあり、明度が高ければ「グレー味」っぽい黒もあります。「ソリッドの黒だから調色しない」なんて感覚は通用しないと思います。
私的に感じている所では、国産車(日本車)の方が外国車よりも漆黒度が高く(所謂「黒い」)、昔の黒程「黒い」気がします。恐らく「黒」の顔料主成分が何かしらの現行の規制に引っかかるのでは?、と思います。
補修塗料でも、外資系塗料の黒は「弱い」と感じられます(今まで使った外資系塗料PPG・DUPONT・STANDOXでの経験だけですが…)。逆に国産塗料の方が原色でも漆黒感は強いです(今まで使った国産塗料 関ペ・ロックだけの経験ですが…)。

「外資系は黒に弱い」と記載はしましたが、対応出来ない訳ではありませんのでご安心下さい。塗料メーカーのデータ上では存在しない原色の設定はあります。デュポンでは「G9900」、スタンドックスでは「リアルブラック」「ブリリアントブラック」などがそうです。G9900では専用の硬化剤とシンナーを使用すれば通常のベースコートと同様に使用出来ます(センタリ原色5%まで混合可)。スタンドックスは通常の硬化剤とシンナーで対応出来ます。

黒の難しい所は、色を混ぜれば混ぜる程「明るく」「濁る」事になります。極端に言うと、段々「グレー」になっていくのです…。
例えば、「もう少し赤味が欲しい」となって、赤の原色を入れれば、黒はグレーになっていきます。それを考慮し、色相の合った原色黒を選択し、明度・濁りを考慮しながら色相(色味)を演出していかなければなりません。白を入れる場合も、実際には「白」では無く「マイクロチタン」(マイクロホワイト)を使用して「透明なスカシの青味」を作り出したりします。実際にはマイクロチタンはソリッド色に使用しないのが定説なのですが、こうしないと出ない(作れない)色のケースも多いです(これについては塗料メーカーに了承済みなので問題は無いと考えております)。

2006/05/21
 
jpg画像 VW LUPO GTI 調色作業詳細(img162.jpg) -162- VW LUPO GTI 調色作業詳細

こちらはスタンドックスの「原色特性表」の一部で、実際に使用した塗料が赤枠の二色のみで、データに記載ある色は赤枠561と、青枠566と、そしてホワイトです。

561は朱色のような赤で、「濁る」と記載ありますが、これがメインの色になるので抜く事は出来ません(類似色もありません)。
問題となったのは「566」のパープルとホワイトで、これらが入ると(混ざると)鮮やかな色味は出せません。このパープルの代わりに、鮮やかな青味の856に切り替えます。説明にあるとおり透明度が高いので、青味を演出する上で「濁り」を出し難いのです。「ホワイト」は、これが混入されると非常に濁ってしまうので、これも入れません。基本的には561と856のみのバランスで彩度・色相・明度を再現し、最終的な微調整で566を数滴使います。データを使用しない一からの目調色です。
しかしこの出来上がった塗料は非常にトマリ(=染まり=隠蔽力)が悪く、これ単体では10回塗っても色が染まりません。なので最初に作った廃棄塗料を下色として隠蔽に使用し(3回)、その後調色完成した色で仕上げます。

2006/05/20
 
jpg画像 VW LUPO GTI 出庫(img161.jpg) -161- VW LUPO GTI 出庫

先日無事出庫致しました。夜勤明けのお疲れの時ににわざわざ御足労頂き有難う御座いました。

今回で二度目のご依頼だったのですが、以前塗らせて頂いた時には「塗装カルテ」を作成していなかった(まだ始めていなかった、或いは作成し忘れた)のか、カルテが存在しませんでした。その為、また調色で苦労してしまい(以前もしたのです…)、今回も塗料を3回作り直しとなってしまいました。調色していて3回目の作り直しの時に「あ、そういえば以前はこうやったんだ…」と思い出したのです。自業自得です…。

LUPOの赤ソリッドはこちらの車両しか経験無いのですが、とにかく彩度が強いです(鮮やかです)。塗装屋的な観点からして、在り得ないくらい鮮やかです。

今回の調色については、結局の所、メーカー(スタンドックス)のカラーデータから作成していては一生出ません(作れません)。簡単な原色構成なのですが、原色の選択自体が間違っている為、これを解決しなければなりませんでした。詳しくは次に記載致します。

とりあえずは、この度のご依頼・ご贔屓有難う御座います。毎週箱根に通うくらい走るのが好きなオーナー様ですが、くれぐれも事故にはお気をつけ下さい。極力当店ではお世話させて頂かないように…です。

2006/05/20
 

My Memory(It's Free!)